リアルとデジタルのデータを“活用できる形”で統合
MZ:プジョーでは、ONE's Dataを導入してどのようなデータ環境を構築されたのでしょうか?
岩本:はい。まず、プジョー様のWebサイト上で得られるユーザーデータをONE's Dataに収集します。加えて、プジョー様の基幹システムにある来店や予約などのオフラインデータもご提供いただき、ONE's Dataでオンラインデータと結合します。そして、ONE's Data側で必要なデータを成形し、CAPIの仕様に合わせて送るという形です。
こうすることで、Cookieレスにも対応することができますし、データガバナンスに関する問題もクリアできます。さらには、ブラウザが軽くなるというメリットもあります。
MZ:オプトにしてみれば、広告運用をサポートする代理店としての枠組みから一歩踏み込み、CAPIと事業主のデータの橋渡し役をするというイメージでしょうか?
岩本:その通りです。これまでのように広告運用を代行するだけでなく、今後はお客様と一緒に事業目標を達成するパートナーになるというのが我々の目標です。プジョー様の場合は自動車の販売完了までのプロセスでデータを可視化したいという目的もあり、それを満たすために必要なところまで併走させていただきました。
河村:システムインテグレーターは、“データを溜める”ことに特化したソリューションやスキルをお持ちですが、“データを活用する”ためには、これに加えてマーケティングコミュニケーションにおけるスキルも必要です。オプトさんは、データを溜める部分とコミュニケーションで活用する部分の両方を備えているという点で特異な存在であり、ONE's Dataは便利なソリューションだと感じています。
Cookieレスへの対応は“守り”だけではない!
MZ:今回の導入によりプジョーではどのような成果が得られたのでしょうか? オンラインとオフラインのデータを結びつけられたことで、何か明らかになったことはありますか?
岩本:Facebookピクセルのみと、FacebookピクセルとCAPIの両方を使った配信とを比較するテストを行ったところ、CAPIの使用により獲得件数が33%増加しました。また、それに対する獲得コストも25%削減することができました。
Facebookは頭がいいので、ランディングページや申し込みなどの効果を学習し、これまでも十分にいい配信ができていました。今回さらに、これらのオンラインデータをONE's Dataに格納し、Facebookが学習しやすいように成形して送るということを行っています。つまり、元々頭がいいFacebookに、もっとおいしいご飯(データ)を食べてもらい、しっかり勉強してもらったことで、より良い配信が実現できたと言えます。
MZ:Facebookでは、今回の事例からCAPIのポテンシャルをどのように感じられましたか?
河村:プジョー様の事例から、Cookieレスに対応するという守りの導入だけでなく、パフォーマンス改善という攻めの要素があることがはっきり可視化されました。CAPIは実装ハードルが高いという印象があるようですが、オプト様との協業により、スムーズな実装ができたという点でも、とてもポジティブな事例であると思います。
自動車業界のお客様と日々関わっていますが、コロナの影響もあって、業界全体的にオンライン化の動きがあります。データ活用が緊急の課題になってくると予想されるので、引き続きサポートしていきたいですね。