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プロが教える!現役マーケターのためのキャリアデザイン基礎知識

キャリア形成は「入社後の活躍」が重要!必要な3つのステップ

ステップ2.:入社の決断時にすべきこと(内定通知/オファーレターを提示されたタイミング)

 最終面接を無事に終え、いよいよ志望する企業から内定/オファーをもらうタイミングがきました。ここで、「入社承諾」を決断する前に行うべきことがあります。それは、オファーミーティングの設定です。直接応募の際はもちろんのこと、転職エージェント経由での応募であっても、企業の採用担当者とのオファーミーティングの実施をリクエストすることをお勧めします。

 オファーミーティングとは、オファーレターや雇用契約書の説明を受け、質疑応答を通して入社する意思の有無を判断すると同時に、入社後の現実的なイメージを膨らませることができる機会です。このミーティングをうまく活用し、ステップ1であなたが伝えてきた内容が企業に伝わっているかを確認しましょう。

 キャリアプランであれば、それらの実現性について確認しましょう。たとえば、「3年後にマーケティングディレクターになることは現実的であるのか」「そのために必要な昇格条件はあるのか」などの質問をしてもよいでしょう。仮に「昇格条件」が判明すれば、そのために所属/管理するマーケティング部門の現状についてさらに質問をすることで、キャリアプランの実現性がより明らかになります。現状とは、マーケティング部門の予算・実績・スタッフの人数を含めた事業としての現状を指します。

 重要なポイントは、「企業としてあなたを受け入れる準備ができているのか」を確認することです。たとえば、採用マネージャー(上司となる人)とあなただけの間でキャリアパスの話が成立しても、人事部として異なる見解をもっていることもあるでしょう。

 採用マネージャー以外にも、採用人事担当者、HRビジネスパートナー、組織開発マネージャーなどが、あなたの希望するキャリアパスを正しく理解しているか、あなたへの共通した期待値や、キャリアパスが実現可能であると認識しているか、などを確認することで入社後の思わぬギャップを防ぐことができます。さらに役職が高いポジションであれば役員レベル、外資系企業の場合は本国にも、キャリアパスの認識について確認すべきでしょう。

ステップ3.入社後にすべきこと(入社~6ヵ月間のタイミング)

 まずは、入社初日に全社に向けてオンラインや対面で挨拶する機会が与えられるかもしれません。なるべく記憶に残る「ワンメッセージ」を発信し、多くの方にあなたの名前と特徴を覚えてもらうように準備しましょう。この後で解説しますが、「人脈」を広げやすくするためにも、入社時から社内で自身をブランディングし、認知してもらうことは重要です。

 そして、入社後の活躍のスタートです。

 入社後に早速取り掛かるべきことの1つとして、「6ヵ月間のロードマップ(計画表)」の作成をお勧めします。本コラムのメインテーマである「入社後の活躍」の軸になるのは、入社してから6ヵ月の間に周囲からの信頼を得ること、つまり、活躍の土台を作ることです。このロードマップを3つの項目で構成することで、通常の業務以外にも視野を広げ、入社後の活躍の可能性を高めることができます。

6ヵ月間のロードマップ(計画表)
6ヵ月間のロードマップ(計画表)

 こちらの表の左の欄にある3つの項目を参照いただき、優先順位やロードマップ項目などはご自身でカスタマイズしてみてください。

1.通常業務

 まずは、与えられた業務をリスト化して、いつまでに何を習得し実行すべきか、ロードマップに落とし込んで、「行動目標」を設定しましょう。目標には、「行動目標」と「結果目標」の2種類があります。

 行動目標は、あなたが行動さえすれば達成できる目標です。例として、上図のロードマップ内に記載されている内容が挙げられます。結果目標とは、その結果として、達成を目指しているものです。例えば、結果としてプロモーションが成功する、自身の企画で最高売上を達成する、などです。

 また、職務記述書(ジョブディスクリプション)の内容だけではなく、上司から求められている個人的な目標や期待値も忘れないように記入しておきましょう。

2.試用期間の条件

 ここでは、試用期間として一般的に設定されている3ヵ月間で設定しています。事前に試用期間をパスできる条件(KPI/重要業績評価指標を含む、定量定性の目標など)を確認しましょう。また、上司だけではなく、同じ事業部やチーム内において直近で試用期間をパスした方に、条件達成のコツや注意すべき点を確認することをお勧めします。

 3ヵ月といっても、特に入社後はあっという間に過ぎていきます。1ヵ月単位に分けて目標設定をすることで、試用期間の最終月に慌ててKPIをこなすような状況に陥らないようにしましょう。

3.人脈を広げる目標

 これをしっかり設定することで、入社後により活躍しやすい環境作りが可能になります。活躍することに急くあまり、社内事情を把握せずに新しい意見や提案をすることはリスクにもつながります。社内の人脈関係図を少しずつ理解し、キーパーソンとの接点を増やし、あなたが求められている役割やポジショニングを把握することから始めましょう。表内には目標設定の一例を記入しています。

まずは小さな成功を重ねる

 最後に、この6ヵ月間を通して、「小さな成功/活躍」というキーワードを意識するとよいでしょう。入社後に長い時間をかけて大きな活躍を実現する前に、いくつかの小さな活躍を作り出すこと(スモールウィン)で、周囲からの信頼を得て、今後の期待を集めることができます。

 小さな活躍を考える際に、所属するチーム内への貢献をイメージしてください。たとえば、誰も手を付けていないチーム内のデータをリスト化するなど、率先したアクションによって周囲から感謝されるような貢献につながることを探してみましょう。その結果として、社内のプロジェクトに加入して欲しいとのリクエストを受けたり、現行のマーケティング施策の改善案を求められたりと、新しく入社したあなたの新たな視点やアイデアが求められる機会も増えるでしょう。

 これがあなたの「入社後の活躍」の第一歩であり、転職をした会社において「活躍をしている人」であるという認識されることにもつながります。長いキャリアパスの中で、なかなか思うようにいかないこともありますが、決して後悔しないように、キャリアにチャレンジし、そして自分自身にチャレンジし、ぜひキャリア構築を楽しんでください。全5回にわたる本コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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この記事の著者

高橋 敏行(タカハシ トシユキ)

 2005年カリフォルニア州立大学フラートン校卒業後、消費財を扱うグローバル企業で国内およびアジア全域における営業戦略に7年半携わる。2014年 エンワールド・ジャパンに転職コンサルタントとして入社。2016年 リクルートメントインターナショナル アジアアワードをチーム受賞。2017年 消費財部門のセールス・マーケ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2021/11/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/37572

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