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コロナ“2年目”を定性調査で読み解く

コロナ“2年目”で生活はどう変化したのか?定性調査で見た今

リモートワークの「継続意向」は意見が分かれる

 単身の社会人の方々に対して行ったリモートワークの継続意向の質問については、今後もリモートワークを行いたい方とオフィスに出勤をしたい方とで二分された。

©One – stock.adobe.com
©One – stock.adobe.com

リモートワークへの肯定的な意見

 リモートワークへの肯定的な意見については、下記のような意見があった。

「人間関係のいざこざがなくなった」
「家の方が集中できる」
「プライベートの時間を確保しやすい」

 同僚とのコミュニケーションが減ったことによって人間関係のわずらわしさがなくなり、自身の仕事に集中しやすくなったと感じている方が半分ほどいた。プライベートの時間を確保しやすくなり、仕事とのメリハリがうまれたという意見もあり、仕事に対するモチベーションも高まる要因にもなっているようだ。

リモートワークへの否定的な意見

 リモートワークへの否定的な意見については、次のような声が聞かれた。

「ミーティングの回数が増えた」
「業務以外の雑談がなくなった」
「仕事がタスクベースになりがち」
「業務時間中にサボってしまう」

 オフィスで働いていた時代にはミーティングを開かずとも口頭で済んでいたコミュニケーションが、チャットツールなどでは補い切れず、MTGが増える要因になっていた。雑談がなくなったという点もまさに、現状の同期型のデジタルツールが補い切れていない「コミュニケーションコストの重さ」が起因している。オフィスは実は単なるハードではなく、優秀なコミュニケーションツールでもあったことに気づかされた。

 Slackでも気軽に話せる新機能のハドルミーティングが実装されたように、Zoomなどのビデオ会議よりもコミュニケーションコストが低く同期型でコミュニケーションをしたいというニーズは今後より増えてくると思われる。

 またリモートワークにおいては、業務のあり方も変化していた。前述のコミュニケーションコストの問題に対応する形で、業務のタスク化が進んでいる。業務のタスク化はタスクを個人に割り振ってしまえば、最低限のマネジメントコストで効率よくプロジェクトを進めることができるため効率的ではあるが、どうしても部分最適になりがちだ。マネージャーはいかに全体像をメンバーに周知し、認識してもらうかが非常に重要になっている

 リモートワークは業務を効率化している側面もあるが、一方で業務に集中できずスマホを見たり家事を行ったりなど、いわゆる「サボり」が発生しているということも事実としてあった。リモートワークを継続したいという社員の中には一定数、自制が利かずサボってしまう社員が含まれることを考えると、企業は今後のリモートワークのあり方について難しい選択を迫られそうだ。

「不可逆な変化」への柔軟な対応がカギ

 前述の通り、今回は主婦、単身の社会人、高齢者といった方々10名に対してインタビューを行ったが、多くの側面で生活の変化が感じられた。コロナ禍が仮に収束した後も、コロナが変えてしまった生活者の変化は不可逆なものもあるだろう。企業はそういった変化に合わせて自らのビジネスを柔軟に変化させていくことが求められる。

 次回以降は2回に分けて、コロナ禍の影響が特に大きかった業界で働く方々にインタビューを行い、ビジネスの現場でどのような変化が起こっているのかを探っていくこととする。

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この記事の著者

浜岡 宏樹(ハマオカ ヒロキ)

株式会社LIFULL uniiリサーチ事業責任者
株式会社LIFULLに新卒で入社し、主力事業『LIFULL HOME’S』のコンサル営業にて年間トップセールスを受賞。その後、代表の井上高志のカバン持ちに就任し、多くのPJを推進。社内新規事業提案制度「SWITCH」にて入賞。「ワクワクする挑戦で溢れる社会を創る」をビジョンに掲げて、2020年9月よりオンラインインタビューサービス『uniiリサーチ』をリリースし、クライアント企業の新規事業創造の支援に取り組む。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/16 07:00 https://markezine.jp/article/detail/37607

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