導入自体は意外と簡単、でも使いこなすにはコツが必要
コンテクスチュアル広告を初めて使う方々からよく受ける質問として、「どんなブリーフィングをしたら良いのか、どんなインプットをすべきかがわからない」というものがあります。マーケティングの計画や広告のターゲティングを考える際、意図するユーザー像を描写した、いわゆる“ペルソナ”を設定することは、皆さんにとっても目新しいものではないと思います。架空の氏名、性別、年齢、住所、職業・職位、収入、家族構成、住環境や生活様式の特徴、趣味などを具体的に設定したリアルな人物像をもとに、戦略を設計するアプローチです。コンテクスチュアル広告についても、このインプットを変える必要はありません。
「どんな興味・関心を持つ人に」「どんな商品やサービスについて」「どんな印象を持ってほしいか」が最低限わかれば、コンテクスチュアル広告の設計は可能です。加えて、何をもって成功・不成功とするか(KPI)、想定予算・時期などその他の要件の確認ができれば、ほぼ実施に必要な情報は揃っていると考えてよいです。あとは、広告の配信方法により、受発注が必要な純広告型であれば実施詳細に関する提案が事業者側からありますし、自ら設定が必要なセルフサービス型であれば、情報に基づいて設定を行えばOKです。
このように導入のためのハードルは高くありませんが、その効果を最大限享受するためのポイントをいくつか記しておきます。
1.文脈に対応した広告在庫が十分にあるか事前に確認しておく
特定の文脈に対する想定在庫を確認することは可能ですので、事前にチェックし、意図した文脈が絞られすぎていないか、調整を行う必要があるのかを判断することをおすすめします。これにより、配信してみたら想定よりも配信できる総量が少なかった、というトラブルを回避することができます。
2.広告配信対象サイトを限定しないという選択肢を持つ
コンテクスチュアル広告のメリットは、ネットワーク全体を横断して、ターゲティングしたい内容のページにターゲティングできる点です。あらかじめ広告配信するサイトを絞り過ぎてしまうことで、結果的に広告規模が想定よりも少なくなってしまった、または規模を確保するために文脈を無視することになってしまった、などの問題が発生するので注意が必要です。
3.クリエイティブは(できれば)ターゲティングとセットで考える
いくら適切な文脈をターゲティングしても、広告内容が文脈とあまり合致していないものであった場合、十分な効果を得ることができない可能性が高くなります。ターゲティングする文脈に合わせたクリエイティブを制作することが理想ですが、それが難しい場合でも、できるだけターゲティング文脈とのマッチングを考えた素材を選定することをおすすめします。
第3回まとめと次回予告
今回はコンテクスチュアル広告の評価のポイントおよび課題点、そして導入の際の留意点についてお話しました。私が把握している限り、これらのポイントは特定のサービスに限らず、すべてのコンテクスチュアル広告に当てはまるものだと考えています。具体的なプロセスやワークフローは各サービスによって異なるところはあると思いますが、共通の考え方として皆さんの参考になれば幸いです。
第4回では、実際にコンテクスチュアル広告を実施して効果を上げた例、逆に効果が得られなかった例について、その内容と要因を分析してみたいと考えています。