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特集:きれいごとで終わらせないパーパス・ブランディング

ダイキン片山氏が明かす、実務家のためのパーパス・ブランディング論

 パーパスへの注目が高まり続ける一方、この潮流をブランディング、マーケティングの実務にどのように落とし込んでいけばよいのか、戸惑っている方もいるのではないだろうか。本稿ではダイキン工業で長年マーケティング活動をけん引し、2021年9月に『実務家ブランド論』を上梓した片山氏に、パーパス・ブランディングのポイントと同社での取り組みについて教えていただいた。

※本記事は、2021年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』71号に掲載したものです。

パーパスブームはまったく新しい潮流か?

ダイキン工業 総務部 広告宣伝グループ長 部長
片山義丈(かたやま・よしたけ)氏

 1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課、1996年広報部、2000年広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。統合型マーケティングコミュニケーションによる企業ブランドと商品ブランド構築、広告メディア購入、グローバルグループWEBサイト統括を担当。ブランディングの取組みはインターブランドジャパンJapan Branding Awardsや公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会PRアワードグランプリのグランプリをはじめ多くの賞を受賞。日本広告学会員。

――片山さんは昨今の“パーパスブーム”をどのように捉えていらっしゃいますか?

 パーパスに限らず、マーケティング業界ではバズワードが生まれては消えています。その時々で必要なものに焦点を当てるのは重要なことですが、これまでと変わっていない部分はどこか、また本当に変わったのはどの部分かを冷静に見極める必要があると思います。「これからはパーパス・ブランディングだ」とまるで新しい概念のように言われていますが、私に言わせればそんなことはなく、ずっと昔から、パーパスは大事な要素でした

 たとえば、近江商人の経営哲学として知られている「三方よし」があります。売り手によし、買い手によし、世の中によし、の3つを実現しようという考え方です。近江商人は江戸時代から明治時代にかけて活躍していましたから、既にこの頃から、社会貢献が求められていたのでしょう(※1)。言葉は違えど、これはパーパス経営そのものなのではないでしょうか。

 ただ、今は事業活動を成功させるための手段として、「世の中によし」の重要度がこれまで以上に高まっています。このトレンドには、目を向けるべきだと思います。3つの重要度のバランスはその時々で変わっていくもので、優れたマーケターはこれまでも、その変化に機敏に反応してきました。

――まったく新しい潮流に見えていましたが、そんなことはないのですね。

 はい。まさに「これまでとは変わって、パーパス経営をしよう」と考えてしまいがちなところが、パーパスブームの落とし穴です。そもそも社会に対して何の貢献もしていない企業は、今生き残っているはずがありませんよね。パーパスは企業の「内」にあるはずで、「内」から探すしかないんです。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/26 06:30 https://markezine.jp/article/detail/37789

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