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現代の女性マーケターへ送る、キャリアを考えるヒントと材料

「妊娠・出産が“キャリアの壁”になるのでは?」と怯えていたラクスルCCO松本さんのキャリア

 上場企業からスタートアップまで、様々な企業の経営の近くで事業戦略・広報に携わった経験を活かし、自らブランディングや経営コンサルティングの支援を行う会社を立ち上げた志賀祥子さんに、女性マーケターのキャリアデザインの考え方について教えていただくこの連載。今回は、ラクスルでCCOとしてコーポレートブランディングとインナーコミュニケーションを担っている松本藍さんをゲストにお招きしました。コンサルティングファームで経営、マーケティング、営業など幅広いスキルを身につけた後、2人目の出産を機に、人事部の立ち上げに携わった松本さん。以前は、第一線で働き続けたいと思っていたそうですが、どのような意識の変化があったのでしょうか?

ラクスルCCOであり2児の母 現在の仕事とワークスタイル

志賀:こんにちは。MaVie代表取締役の志賀です。私は、企業や経営者のコンサルティング、ブランディングを手掛ける傍らで、女性のキャリア課題の解決ができればと、主に女性のビジネスやキャリアブランディングをサポートする「MaVie Salon」を展開しています。この連載は、女性マーケターが、自身のキャリアを考える際のヒントを提供することを目的にお送りしています。3回目となる今回は、ラクスルでCCOを務めていらっしゃる松本さんをゲストにお迎えしました。はじめに、自己紹介をお願いできますか?

志賀
(左)ラクスル株式会社 CCO 松本藍氏(右)株式会社MaVie 代表取締役 志賀祥子氏

松本:ラクスルの松本です。2020年にラクスルに入社し、社内外のブランディング・コミュニケーションを担当しております。私は新卒で戦略コンサルティングファームに入社した後、経営・マーケティング・IT・デジタルの領域で支援を手掛けるリヴァンプという日系のコンサルティング会社に転職し、10年ほど経験を積みました。ラクスルにジョインしたのは、2020年春、ちょうどコロナ禍に入ったタイミングです。

 現在の職務であるCCOは、ラクスルの企業文化を作り組織活性化を促進する人事的な役割と、社外に対してそれらの情報を発信し企業イメージを作る広報的な役割の双方を担っています。ラクスルには現在約400名の社員がおり、海外にも2つ拠点を開設しました。組織には、100人の壁、300人の壁、1,000人の壁があると言われますが、ラクスルも事業を拡大させていくためには組織を成長させなければいけないということで、経営陣と一緒に組織改革プロジェクトなどにも取り組んでおります。

志賀:私はいま4歳の娘がいます。働き方としては、会社を経営しているので、自ら多様な働き方ができる環境にあります。そのため、なんとか仕事と育児を両立できていると思います。松本さんの現在の働き方はいかがですか?

松本:私も4歳と6歳の娘がおります。弊社は、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークを実施しています。フルタイムで働いているのですが、夜が苦手なので、朝5時には起きて仕事をしたり、自由な時間を過ごしたりして、時間のやりくりをしています。早朝は、子どもも寝ていますし、メールやスラックでのやり取りも発生しないので、とても効率よく仕事ができるんです。自分が持っているボールは始業までにすべて投げ返すようにしています

志賀:とてもよくわかります! ワーママならではの効率のいい時間の使い方ですよね。私もボールを持っているものは朝早くに全て投げ返していますね。集中できる時間は人によって違いますから、メールやスラックなどの送信予約の機能はとても助かっています。

結婚・妊娠・出産への漠然とした不安

志賀:実は今日、ある女子大学の4年生向けに講義をさせていただいたのですが、まだこの時代でも「結婚したら仕事をセーブしないといけないのでしょうか?」という質問がありました。従来からある女性の働き方に関する固定概念のようなものは変わっていないのかもしれません。仕事をセーブするも続けるも、正解はありません。それぞれの可能性を知ってから、自分がどうしたいのかを選択していけるといいなと思いました。

 松本さんは、妊娠・出産というライフイベントがご自身のキャリアにどのように響くのか不安があったそうですね。最初からキャリアとライフイベントについて、プランを描かれていましたか?

松本:私は学生の頃からずっとバリバリ働いていたいと思っていたので、就活当時から妊娠・出産という見えない期間に対してすごく怯えていました妊娠と出産で仕事から離れる期間があるからこそ、若いうちに実績を積んでおきたい。そして、「ここだ!」という自分の行きたい道を見つけた時、そこにディープダイブできるようになりたいという気持ちがあり、戦略コンサルティングファームをファーストキャリアに選びました。

 コンサルタントはとにかく忙しく、「金曜の夜に出た指示を月曜の朝までにやる」など、土日や夜の稼働を前提とした働き方でした。私自身、仕事は大好きで第一線で働くことにやりがいを感じていましたが、一方で「こんなワークスタイルで、いつか育休を取り、子育てなどできるのだろうか?」という不安がありました。

志賀:キャリアプランを描く際、やはりライフイベントについては漠然とした不安がありますよね。結婚や妊娠・出産は点であって、そこから仕事と家庭・育児の両立が始まります。そのため点ではなく、線で長期的な視点で考える必要がありますね。

松本:そうですね。私も実際、コンサル時代に1人目の子どもを出産した後はフロントで復帰しましたが、2人目を産んで復帰する時は人事部に異動しました。フロントでクライアントワークをしながら、2人の子育てと両立するのはやはり大変だということで異動したのですが、正直ちょっと後ろ向きな選択ではあったのです。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

志賀 祥子(シガ ショウコ)

東京都出身。上場企業からベンチャー企業まで幅広い組織で広報責任者や経営戦略室立ち上げに従事。2015年に将来の育児期を見据えて独立しリモートでのコンサルティング事業を立ち上げる。出産を経て2019年に株式会社MaVieを創業。経営視点を持つ企業広報・ブランディングの専門家として、各種戦略立案から施策...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/21 07:30 https://markezine.jp/article/detail/37868

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