SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

現代の女性マーケターへ送る、キャリアを考えるヒントと材料

「妊娠・出産が“キャリアの壁”になるのでは?」と怯えていたラクスルCCO松本さんのキャリア

ジェネラリストかスペシャリストか?

志賀:なるほど。ですが、結果的に今のCCOという役職を見ると、良い方向に繋がったのではないですか?

松本:ええ、それまで「働くなら売り上げを作るフロントにいたい」といったバイアスを自分に勝手にかけていたのですが、会社を良くしていくという観点ではフロントもバックも変わりません。育休後に人の成長に携わる仕事に就きましたが、社員や組織の成長を実感できるこの仕事に対して、素直にやりがいを感じています。母になり、人の成長を応援することの喜びを知ったことが大きいのかもしれません。

 そして、それまでのキャリアが組織・広報の仕事で活きないかと言うと、そんなこともありません。ハードスキルで考えると違いがありますが、ファクトを集めて課題を見つける、KPIを設定するなどのソフトスキルは組織や広報に関する仕事でも活きています。

志賀:とてもよくわかります。私自身も銀行の一般職から事業会社で社長秘書・新規事業を経験し、その後、広報や新規事業、経営企画に携わり独立しました。どの経験もすべて活かされていますし、自分のキャリアの軸はブレていないんです。会社経営をする今でも「あの時のこの経験をしていてよかった」と思うことばかりです。

 松本さんは、経営・マーケティング・人事と幅広いスキルを身につけられて、ジェネラリストとしてのキャリアの一例になりますよね。一方で、幅広い経験をしているからこそ、自分の強みがわからないという声もよく聞きます。

松本:幅広いジェネラリストになった方は、「自分には何か特化したスキルがない」と悩むのかもしれませんね。マーケターと一口に言っても様々ですが、たとえば、メーカー企業のマーケターは、商品開発から戦略の設計と実行、課題分析まで一巡のPDCAを統括していくポジションです。つまり、汎用性の高いスキルを身につけられる場所にいるはずで、その思考プロセスや振り返り方などをもってすれば、キャリアの選択肢が閉じることはない、と今は思います。

志賀:そうですね! 自分のやりたい仕事が明確にあるのなら、具体的にアクションを起こす行動力も時には必要だと思います。私はPRの仕事をしたいという目標があったので、第二新卒で経営と密に関わる社長秘書の職に就き、結果広報を兼任する形でPRのキャリアをスタートしました。そこから数社で経営戦略室や広報責任者を経験し、今は企業やブランドのPR・ブランディングをサポートする会社を経営しています。妊娠・出産を見据えて働く環境と実績を作るために、妊娠前に独立し起業しました。自分のやりたい仕事や理想の働き方を実現するためには、自らアクションを起こすことと周りに伝えていくことが、実体験からも重要だと感じます。

全方位カバーできなくてもいい。「人の成長を支援したい」という軸を見つけた

志賀:最後にこれからのキャリアプランや目標などを教えて下さい。

松本:先にお話しした通り、若い頃は「やりたい仕事を見つけた時に飛び込んでいける能力を身につけていたい」という思いからキャリアを考えていたところがあり、全方位カバーしようと必死でした。母になり、人の成長を応援することの喜びを娘たちから教えてもらった今、はじめて「やりたい仕事」を見つけられたように思います。母になってから起業する友人や、異業種に転職する友人を見ると、「やりたい仕事」を見つけるのは、何歳になってからでも遅くないように感じています

 もうひとつ、私が働く姿を見て、娘たちには未来に希望を抱いてほしいと思っています。忙しそう・大変そうというイメージではなく、「頑張って仕事をしているお母さんはカッコいい、楽しそう」と思ってもらいたい。そのためにも、より多くのチャレンジもしながら楽しくキャリアを歩んでいきたいです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
現代の女性マーケターへ送る、キャリアを考えるヒントと材料連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

志賀 祥子(シガ ショウコ)

東京都出身。上場企業からベンチャー企業まで幅広い組織で広報責任者や経営戦略室立ち上げに従事。2015年に将来の育児期を見据えて独立しリモートでのコンサルティング事業を立ち上げる。出産を経て2019年に株式会社MaVieを創業。経営視点を持つ企業広報・ブランディングの専門家として、各種戦略立案から施策まで一貫して支援...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/12/21 07:30 https://markezine.jp/article/detail/37868

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング