SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

TVer等、自ら広告配信を設計・運用が可能に!UltraImpressionが届ける「UIAM」とは

 各テレビ局を横断して見逃し配信を楽しめる「TVer」の存在感が増している。そんな中、テレビ朝日が中心となって立ち上げたUltraImpressionは2021年、TVerをベースとするTVerPMPや、テレビ朝日のコンテンツにセルフサーブで広告配信ができる広告会社向けサービス「UltraImpression Ad Manager(UIAM)」の提供を開始した。プレミアムコンテンツの中で、ブランディング効果の高い広告出稿ができる民放キャッチアップへの問い合わせは、地方の企業・広告会社からも相次いでいる。同社のキーパーソン3名に、キャッチアップ広告の利点とUIAMでできることを聞いた。

セルフサーブで広告配信の設計と運用ができるプラットフォームを提供

MarkeZine編集部(以下、MZ):2019年5月に設立されたUltraImpressionは、テレビ朝日を中心にSupershipホールディングス、サイバーエージェント、電通、博報堂DYメディアパートナーズの計5社による動画広告配信プラットフォーム会社として注目を集めました。今回、新たにセルフサーブで広告配信の設計と運用ができるプラットフォームの提供を開始されたことを機に、テレビコンテンツへの広告配信で今どのようなことが起きているのかをうかがいます。

 まず、お三方の経歴を教えてください。

山田:私はテレビ朝日の出身で、番組制作やテレビCMのセールスを担当してきました。AbemaTVに出向し、デジタル広告のセールスに携わっていた時期もあります。現在、UltraImpressionに出向してセールスを担当し、どのようにデジタル領域での売上を高めるかに日々取り組んでいます。

木村:私もテレビ朝日からABEMA Newsを経て当社に参画しています。ABEMA Newsでは主にメディアのシステム構築や番組制作の技術領域を担当し、現在はUltraImpressionのテクノロジー全般を統括しています。

馬淵:私はSupershipからUltraImpressionに出向しています。UltraImpressionではクライアントへのアドネットワーク導入支援に携わり、現在は広告運用の効率的な収益化や、アドマネージャーのサービスの改善などを担当しています。

画像:UltraImpression Ad Manager

2016年から右肩上がりで「TVer」の視聴が広がる

MZ:UltraImpressionが設立して2年半ほどになりますが、その間にも民放キャッチアップ、TVerなどでテレビコンテンツを視聴するスタイルは大きく広がりました。この状況をどうご覧になっていますか?

山田:コンテンツ提供側の視点では、生活者の間に「好きなときに好きなコンテンツを視聴する」スタイルがより一般的になってきているのではないかと感じています。ネット領域ではテレビ局発以外の動画コンテンツも多く配信などがされていますが、長年番組を作り続けてきたテレビ局のコンテンツへの需要と信頼も感じています。

 ネット発で質の高いコンテンツもどんどん増えているので、しっかりトレンドを押さえて、コンテンツを視聴者のみなさまに楽しんでいただくためのアプローチが必要とも強く感じています。

UltraImpression プラットフォームビジネスセンター リーダー 山田有紀氏

山田:生活者側の視点では、スマートフォンで動画コンテンツを観るだけでなく、この1~2年ではネット結線率も高まり、コネクテッドテレビの利用率も高まってきています。

 具体的には、TVerですと2021年10月に月間動画再生数が2億回を超え、前年の約2倍となりました。このように、テレビコンテンツの視聴方法にも選択肢が増え、普及していっています。

ネット領域にいける、民放キャッチアップと広告の強み

MZ:では、TVerやテレ朝キャッチアップの“見逃し視聴”コンテンツに配信する「キャッチアップ広告」について、教えてください。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

山田:大きく3つあります。1つ目はデジタルの強みを生かして、属性や興味関心の軸で細かくセグメントして配信できることです。アドテクノロジーを駆使した多様な配信手法で、ターゲティング精度を含めて様々な指標を向上させることが可能です。

 2つ目は、コンテンツ自体は地上波のテレビで放映されているものなので、プレミアムな配信面だということです。ブランドセーフティの観点から、安心して出稿いただけますし、広告自体も地上波の水準の考査があるので、質に問題がある広告の前後に流れる心配もありません。

 3つ目は、やはり視聴完了率が高いことですね。TVerをはじめとする見逃し配信のCM視聴完了率は平均94.4%で、有音再生率は98.8%に上ります。「番組を視聴しよう」と能動的に訪れているユーザーに配信するので、しっかり視聴いただけます。

珠玉のコンテンツへの広告出稿ニーズが高まる

MZ:広告主も、内容や質も非常に幅広くなっている動画コンテンツの中で、ある意味で珠玉のコンテンツに広告を出せるわけですね。

山田:そうですね。テレビ局が培ってきた制作力をベースとしたコンテンツで形成されているマーケットになりますので、広告主、視聴者の方にも安心して観ていただけるメディアになっています。

 そうした場にアドテクノロジーを活かした広告配信で出稿するメリットが、今多くの広告主に受け入れられつつあると実感しています。実際、問い合わせも出稿額もずっと伸びている状況で、各クールで前年を上回る数字になっています。

UltraImpression プラットフォームテクノロジーセンター センター長 木村洋輔氏

MZ:続いて、TVerとテレ朝キャッチアップへの広告配信をセルフで行えるプラットフォーム「UltraImpression Ad Manager」(以下、UIAM)について、どのようなソリューションなのか、教えてください。まず、こちらはどのような方たちを対象としたソリューションなのでしょうか?

木村:UIAMは、広告会社の方々を対象とした、キャッチアップを購入できる唯一無二のセルフサーブ型の広告配信プラットフォームです。

クリック/タップで拡大
(クリック/タップで拡大)
クリック/タップで拡大
実際の管理画面(クリック/タップで拡大)

木村:簡単に操作できる管理画面から、配信メニューを自由に設計し、運用できます。アカウント登録していただければ、配信のシミュレーションや在庫の確認、広告素材の考査のやり取りなどを一気通貫でツール上から実行できます。

広告主や広告会社が自由に配信を設計・入稿できるように

MZ:具体的に、どのような配信ができるのですか?

木村:大きくはテレビ朝日のコンテンツへの配信と、TVer PMPを介した各局コンテンツへの配信があります。前者はUltraImpressionがテレビ朝日のグループなので、配信に融通が利くメリットが、後者には広く多くの方にリーチできるメリットがありますね。

木村:いずれも、UltraImpressionが持つ独自の配信データを利用できます。デモグラフィックやエリアなどの一般的なデータや、ライフスタイルに関するデータ、ユーザーの外部Webサイトの行動履歴に基づく興味関心のデータなどがあります。

MZ:唯一無二とおっしゃるように、セルフサーブでテレビ局のコンテンツに配信できるというのは聞いたことがありません。なぜ、こうしたソリューションの開発に至ったのですか?

木村:いちばん大きいのは、プレミアム配信面であるがゆえの「大手企業しか出稿できないのでは」「限られた広告会社しか扱えないのでは」というイメージを払拭し、多くの方に広く使っていただくためです。大手でしかできない、というのは実はまったくの誤解です。限られた予算でも、UIAMを使用していただければ広告出稿をしていただけます。

クリック/タップで拡大
(クリック/タップで拡大)

木村:実際、UIAMには非常に多くの問い合わせを受けています。地方の広告会社さんから「新しい広告手法として提案したい、どのように使えるのか」というご連絡をいただくこともあり、手応えを感じています。

馬淵:地方の広告会社で、地場のクライアントをたくさん抱えている場合などにぜひ活かしてほしいですね。開発の背景をもうひとつ挙げると、デジタルならではのスピード感を活かせていない課題もありました。YouTubeの広告は買えるけれどTVerは買えない、あるいは時間がかかるとなると、ビジネスチャンスを逃してしまいます。

買いたいときに買えて、検証できる環境を整えていく

MZ:確かに。動画広告のプレミアムな配信面がせっかくあるのに、タイムリーに利用できなくなってしまいますね。

馬淵:そうです。また、これは広告主にとっての話と同時に、広告会社にとっての話でもあります。「TVerの広告をすぐに買い付けられる広告会社にお願いするよ」と言われてしまったら、クライアントを失うことになる。そんな事態を防ぎ、キャッチアップ広告の利点を存分に活かしていただくためには、やはり皆さんが自ら触って検証し、仮説を立ててトライできる環境を我々が整える必要がありました。

 TVerをはじめとする見逃し配信サービスは、これからさらに右肩上がりになりますし、そうしていくのが我々の使命でもあります。そのとき、テレビとは違った、現状のデジタル特有のアプローチである、買いたいときに買える環境を提供したいのです。

UltraImpression プラットフォームビジネスセンター 馬淵元規氏

MZ:質の高いテレビ局のコンテンツに、デジタルの特徴をこれまで以上に活かして配信できるわけですね。少額でも、というお話がありましたが、TVerで小さく始めて“勝ち筋”のある広告をいざテレビCMに展開する、といったことも可能でしょうか?

馬淵:もちろんです。UIAMは、まず10万、20万円からで何か新しいことをしてみたいとか、テレビのコンテンツに広告配信をしたことがないという広告主に、ぜひ気軽に試していただきたいですね。気軽ですが、ターゲティングのロジックは正確で、コンテンツの質は折り紙付きですから。

 今後は、UIAMを全国の広告会社に使っていただき、TVerを信頼いただいている視聴者との出会いを生み出せたらと思います。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/03/04 14:22 https://markezine.jp/article/detail/38066