どんなブランドも、知られないと意味がない
前回もお伝えしましたが、現代社会においてモノやサービスが良いのは当たり前です。それをふまえた上で力を入れたいのが、ブランドを知ってもらうための努力。つまり宣伝活動です。宣伝にお金や時間をかける余裕なんてない! そう思う方もいるかもしれませんが、むしろ逆。小さな会社こそ、宣伝活動に力を入れるべきです。
ただし、強調しておきたいのは、商品のクオリティが高水準に達している必要があること。そこをクリアしないまま宣伝活動に力を入れても、むしろ逆効果となりSNS全盛の今、マイナスの情報は瞬く間に拡散されてしまいます。「高品質な商品」+「宣伝活動」こそ、ブランドを知ってもらうカギとなります。
広告は「ここまでやるか!」を目指す
宣伝活動には様々な方法がありますが、ここでは「広告」と「広報」の視点から具体的にお伝えします。簡単におさらいすると、「広告」とはメディアにお金を払い、発信したい情報を掲載してもらうもの。一方「広報」は、メディアが自発的に商品を紹介したくなるように働きかける活動です。それぞれ役割が違いますから、上手く使い分けるのが理想です。
まず「広告」においては、ありきたりでは意味がありません。お金を払う広告は、表現の自由度が高いのでどうせ出すなら「ここまでやるか!」と、ありえない方向を目指すのです。
私の場合、それを象徴するのがケンズカフェ東京の最寄り駅を看板広告でジャックすることでした。地下鉄丸ノ内線・新宿御苑前駅に降り立っていただくとわかりますが、ケンズカフェ東京の看板広告が必ず目に飛び込んできます。ホームのほか最寄り出口までトータル11ヵ所に掲げられていますから、これを見て驚く方も少なくありません。
最初は3ヵ所でしたが、エゴサーチをしていたとき、こんなツイートを見かけました。「あの店、商売上手だね」「やたらと宣伝しているね」。それは明らかにネガティヴな文脈でした。広告を減らすか迷ったものの、すぐに考え直しました。中途半端だから、そんなことを言われるんだ。駅を広告で埋めてしまえば、逆に「すごい!」となるはずだ、と。出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない。どうせなら「出過ぎた杭」を目指すことにしたのです。
11枚の看板効果は絶大で、交流会などで名刺交換をすると多くの方から「駅の看板のお店ですね」と言われます。また人気番組『出没!アド街ック天国』の新宿御苑ランキングでは「新宿御苑」、「シアターサンモール」についで「ケンズカフェ東京」が3位に選ばれました。
インターネット広告が全盛の今だからこそ、折り込みチラシや看板などアナログな広告で逆張りを狙う戦略は検討する価値があります。それも、やるなら徹底的にやることです。