商品本来の価値を取り戻すパーパスドリブン

コミュニティの活性化と継続
コミュニティを活性化し継続していくための要素としては、企業や生産者、生活者など異なるセクターからの参加や適切な運営やリーダーシップなどが指摘できるが、より価値を生み出すためのコミュニティづくりに関しては、地域活性化や公衆衛生、経営学などで使われることが多い「ソーシャル・キャピタル」の考え方が参考にできる。
Coleman(1990)はソーシャル・キャピタルを、「個人に協調行動を起こさせる社会の構造や制度」と捉え、人々の関係性の中にあるものであり、それがなければ、達成できないようなコミュニティの目的を達成可能にすると指摘している。このように、ソーシャル・キャピタルは健康や犯罪率、またコミュニティなどの価値創発と関係することが示されている。
Putnam(2000)はソーシャル・キャピタルの要素として、「ネットワーク」「互酬性」「信頼」の3つを挙げている。つまり、コミュニティ内の人間関係のネットワークを資産と捉え、助け合いやお互い様の気持ちで自発的に行動を支え、場の信頼を保つことがコミュニティの価値を上げるための重要な要素と言えるであろう。
参考
・Coleman, J.S. (1990), Foundations of Social Theory, Cambridge, Mass.: Belknap Press of Harvard University Press.(=2004,久慈利武監/訳『社会理論の基礎』青木書店.)
・Putnam, R. D. (2000), Bowling Alone: The Collapse and Revival of American Community, Simon and Schuster.(=2006,柴内康文訳『孤独なボウリング 米国コミュニティの崩壊と再生』柏書房.)