野球、サッカーに次いでファンが多いフィギュアスケート
MarkeZine編集部(以下、MZ):ミズノでは、サプライヤー契約を結ぶ国内の冬季競技連盟・協会・選手に提供する2022年シーズンの日本代表ウエアを発表され、同時にTVアニメ「ユーリ!!! on ICE」(以下ユーリ!!!)とのコラボレーションを展開しています。まずは、企画の背景をお聞かせください。
井口:ミズノは、1983年より日本スケート連盟とオフシャルサプライヤー契約を結び、その一環として、スケート競技(※1)の日本代表選手が国際大会で着用するオフィシャルウエアを毎シーズン製作しています。また、フィギュアスケートは野球、サッカーに次いでファン人口が多いと言われており、ビジネスの面でもフィギュアファンへ向けた取り組みは非常に重要です。
ユーリ!!!は、2016年に放送された男子フィギュアスケートを題材としたテレビアニメーションです。主人公・勝生勇利選手もフィギュアスケートの日本代表という設定であることから、2017-18年のシーズンに初めてコラボレーションをしました。
※1:フィギュアスケート・スピードスケート・ショートトラック
MZ:ユーリ!!!とは4年ぶりの取り組みですね。詳しいコラボレーションの内容を教えてください。
井口:#もしも勝生勇利選手が代表ウエアを着たらのテーマのもと、「ミズノが勝生選手にご提案する、2021-22勝生勇利モデル、応援アイテム」として、“勝生勇利”のネームタグが付いた代表ウエアのほか、コラボ用に企画した長袖シャツ、手袋、タオルのアイテムを、完全受注生産でオンライン販売をしました。
また、アニメの製作委員会に依頼し、代表ウエアを着た描き下ろしイラストを作成いただき、コラボビジュアルとして公開しています。イラストの背景も、2021-2022シーズン日本代表の選考会が開催された会場に寄せるなど、細部までこだわりとリアリティを持たせたコラボレーションです。
フィギュアスケートの北京オリンピック代表選手が決まりました。
— 公益財団法人日本スケート連盟 Japan Skating Federation (@skatingjapan) December 27, 2021
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MZ:企画は、いつ頃から計画されたのでしょうか。
井口:今シーズンの代表ウエアのデザイン画がおおよそ固まった2020年の夏頃に、社内で動き始めました。後押しとなったのは、ファンの皆さんの熱量ですね。前回のコラボで、ミズノ直営店でウエアの展示イベントを行ったのですが、多くのファンの皆さんが来場され、私自身もその熱量を肌で感じました。
その後もSNSなどで「次はいつでしょうか?」と期待の声をいただいており、今も収まることのない熱量に、「やはり2021-2022年シーズンもファンの皆さんと一緒に熱くスケートを盛り上げて応援したい」と、企画を進めてきました。
ファンの反響の高さに社内も注目
MZ:継続的に、ファンから期待の声が届いていたんですね。しかし、メーカーとしてその声に応えることは、簡単ではないと思いますが……。
井口:やはりコラボは「ミズノだからこそできること」が、とても重要です。フィギュアスケートアニメのユーリ!!!とのコラボは、ミズノだからこそできるコラボであり、とても大切な取り組みの1つだと考えています。
これまでも、「勝生選手がミズノの契約選手だったら……」と考え、ミズノの契約選手のお誕生日をSNSでお祝いするのと同じように、直営店で毎年お誕生日イベントを行っています。普段の20倍近くのお客様がご来店され、特に2021年のお誕生日イベントは前年の1.5倍のお客様がいらっしゃいました。
私たちも店舗のメンバーと一緒になって、勝生選手を象徴するブルーを基調としたアイテムをそろえるなど、「どんなことを企画したらファンの皆さんがときめいてくださるか」を考えながら設営しています。
MIZUNOは今年もみなさんとお祝いしたい楽しみたい一心であれこれ中。この時間もまたたのし。27日から30日まで。#1129の日準備 #yurionice #勝生勇利 #フィギュアスケート pic.twitter.com/7Kf8aQRoAT
— MIZUNOSHOP(ミズノ公式) (@mizunoshop) November 26, 2021
MZ:今回のコラボに対し、ファンからの反響はいかがでしたか。
井口:「待ってました!」という、たくさんの声をいただきました。情報をお知らせしたツイートに対して、いいねやリツイートはもちろん、引用コメントやリプライも多数いただき 、本当に熱量の高さを実感しました。
ミズノの公式SNSの反響をまとめた社内用のレポートには、コラボの話題が上位にランクインし、社内関係者から「ユーリ!!!すごいね」と声をかけられることが非常に多いです。
MZ:社内からの注目度も高いんですね。
井口:ユーリ!!!の企画は、私が所属する部署の他に、直営EC・店舗の販売部、商品企画部と複数の部署が連携して進めています。今回も、みんな当たり前のように「やりましょう」と企画がスタートするほどです。