プライバシー対策後のデータ活用が持つ可能性
MZ:3rdパーティデータを掛け合わせることで、企業はどのようなことが可能になるのでしょうか。
岩井:概念的な説明になりますが、1stパーティデータはユーザーがきちんと識別できている状態です。それに対し3rdパーティデータは、ユーザーデータの大きな集まりなので、輪郭は見えないけれど傾向がわかる状態です。この2つを組み合わせることで、ユーザーの輪郭に加え、そのユーザーの傾向が見えてきます。
たとえばクレジットカード会社に申し込みをする時、関心事に「旅行」と書いて申し込みをした人がいるとします。するとカード会社では「旅行先でカードを使ってもらうと、還元ポイントを高くする」といったキャンペーン時に、真っ先にこの人に知らせようとするでしょう。
しかし、興味関心は移り変わります。この人も単なる観光ではなく、お気に入りのスポーツチームの観戦を兼ねる旅をするようになったとします。インターネット上での購買や閲覧行動もそのスポーツに関するものが増えてきて、明らかに行動が変わってきました。しかし、自社データだけでは、この変化を見落とす可能性もあります。この人に旅行キャンペーンばかり送るとノイズになりかねませんよね。かといって、「あなたの興味関心は何ですか?」と聞き続けることも現実的ではありません。
ここで役立つのが3rdパーティデータです。DMP事業者の場合、ユーザーの現在の行動データを基にしているので、興味関心の推移を捉えることができます。先程の例も1stパーティデータを掛け合わせることで、スポーツ鑑賞特典やスポーツグッズの購入還元ポイントなど、その状況に合わせて最適なオファーを出せるようになるでしょう。
MZ:なるほど。このような活用をしていくためには、消費者の同意が必須ですね。
上野:そうですね。その実現のために、まずは社内のすべてのステークホルダーの方と共に、今後に向けての対応を整理し、消費者のメリットも踏まえながら同意に基づいたデータ収集、活用までを一貫して支援したいと考えています。
すべての企業が等しくユーザーデータを活用できるように
MZ:3rdパーティデータ取り扱いの規制が強まる中、今後DACでは事業会社に対しどのような価値提供を目指していくのでしょうか。
岩井:2010年代は当たり前のように使っていたユーザーデータですが、2020年に入り、ようやくその活用ルール、つまり作法が整ってきたと捉えています。そして、この同意取得の流れに関して反対する事業会社もほとんどいないと考えています。
一方で、「対応がわからない、コストがかかる、面倒くさい」ために、データ活用そのものを止めてしまう企業が出てくることが懸念されます。しかしながら、企業競争の土壌にデータ活用は欠かせません。もしデータ活用を諦めてしまうと、商品力や販売力より前の段階で競争力に差が出ることになりかねません。これは避けるべき事態です。
データ活用に後ろ向きになる理由が「わからない、コストがかかる、面倒」の3つならば、私たちはそれらを解消し、企業が等しくユーザーデータを活用して競争力を高め、消費者の良い関係を築いていくことを支援していきたいと考えています。
データ活用に関する適法性のチェックや対応から、消費者との適切なデータ接点の設計、そして3rdパーティデータの活用による高度化まで、DACでは一貫したご支援が可能です。また、スモールスタートに適したソリューションもご用意があります。どこから手を付けるべきか等のご相談もお受けできます。データ活用についてお悩みのある企業は、ぜひ一度お問い合わせいただきたいです。
上野:もちろん「獲得広告をせずに、ブランディング広告に切り替える 」という選択肢もあると思います。しかしそうなると、今まで運用広告経由で得ていた収益がゼロになってしまいます。これまでの収益を失うか、それとも取り組むかを天秤にかけてご検討いただきたいですね。そして取り組むと決められた際は、私たちDACも伴走して最後までご支援できればと思います。
MZ:ありがとうございました。
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