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第106号(2024年10月号)
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コロナ禍で成長/衰退した企業、明暗を分けた要因とは『マーケティング最新動向調査2022』より

EC市場はサービス系分野が大幅減

 巣ごもり需要の影響を受けたと思われるEC市場、特にBtoCの動向については経済産業省が2021年7月に公表した『電子商取引に関する市場調査』結果に詳しい。

 2020年の国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、好調な業種も多く見られたが19兆2,779億円と前年比0.43%減。わずかに前年を下回る結果となり、増加しなかったのは「本市場調査開始以降、初めてのこと」という。

図表2 BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)(タップで画像拡大)
図表2 BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)(タップで画像拡大)

 要因としては、旅行サービスを中心にサービス系分野の需要が大きく落ち込んだことが挙げられる。大手旅行代理店が大幅な減収減益に見舞われたことは記憶に新しいが、コロナ禍がBtoC-EC市場の成長に極めて大きな影響を及ぼしたと言える。

 内訳としては、物販系分野が12兆2,333億円(前年比21.71%増)と大幅に増加、デジタル系分野も2兆4,614億円(同14.90%増)と好調を維持。一方で、サービス系分野が4兆5,832億円(同36.05%減)と大幅に減少した。

 この結果、BtoC-EC市場全体に占める物販系分野の割合の変化は、2019年から2020年にかけて51.9%から63.5%と大幅に増加し、サービス系分野の割合が37.0%から23.8%に減少。また、デジタル系分野の割合は、11.1%から12.8%に微増した。

図表3 物販系分野のBtoC-EC 市場規模(タップで画像拡大)
図表3 物販系分野のBtoC-EC 市場規模(タップで画像拡大)(タップで画像拡大)

 ともなって、物販系分野のEC化率は、2019年から2020年にかけて6.76%から8.08%に大きく上昇。「書籍、映像・音楽ソフト」の42.97%が最も高く、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が37.45%、「生活雑貨、家具、インテリア」が26.03%、「衣服・服装雑貨等」が19.44%と続く。これまで店頭での購入が当たり前だった商品も積極的にECで購入されるようになってきている。

 サービス系分野においては、先述のように最大カテゴリーの「旅行サービス」が深刻な影響を受け、前年比60.24%減の1兆5,494億円となった。また「飲食サービス」は前年比18.03%減の5,975億円、「チケット販売」は前年比65.58%減の1,922億円と、これらのカテゴリーも対前年で大きく減少した。

図表4 サービス系分野のBtoC-EC市場規模(タップで画像拡大)
図表4 サービス系分野のBtoC-EC市場規模(タップで画像拡大)

 緊急事態宣言下で一時的に来店者数が減少したとされる「理美容サービス」は前年比0.27%で6,229億円と微増、「金融サービス」は前年比13.17%増と好調に推移した。需要が急増した「フードデリバリーサービス」は3,487億円だった。デジタル系分野は市場が拡大。全体 の60.8%を占める「オンラインゲーム」が前年比7.50%増で1兆4,957億円に。「電子出版」が前年比36.18%増で4,569億円、「有料動画配信」が前年比33.10%増で3,200億円となった。

図表5 デジタル系分野のBtoC-EC市場規模(タップで画像拡大)
図表5 デジタル系分野のBtoC-EC市場規模(タップで画像拡大)
本調査の全結果とクロス集計の結果に加え、 「マーケティングをめぐる近年の動向の概観」や「主要マーケティングプラットフォーマーの動向」をまとめた『マーケティング最新動向調査 2022』は、翔泳社のECサイト「SEshop」でのみ販売しております。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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2022/03/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38573

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