医療分野とキャッシュレスデータのプロが生むシナジー
MZ:お取り組みを通じて、齋藤さんはどのような手応えを感じていらっしゃいますか?
齋藤:やはり仮説をきちんと立証できたのは大きかったです。今回の分析はあくまでトライアルなので、各担当者が分析から得られた知見を基に自身の担当エリアを理解していくのがネクストステップになります。トライアルとはいえ、分析を通じて得られるデータは担当者が医療従事者への情報提供について考える際の有力な材料になるものだとわかりました。今は本格展開に向けて準備を進めているところです。
MZ:「キャッシュレスデータ×医療」という難しい組み合わせでありながら、順調にプロジェクトが運んでいると感じました。成功要因はどこにあるとお考えですか?
福武:齋藤さんが「これを解き明かしたい」という明確なクエスチョンをお持ちだったことが大きな成功要因だと考えています。データ分析と一口にいっても、切り口は無限です。仮説なき分析は手段の目的化に陥り「結局何がしたいんだっけ」という状態になってしまうのです。
福武:また、アステラス製薬さんと弊社それぞれの得意領域を持ち寄りながら分析プロジェクトを進めることができたのも良かったです。私たちは分析のプロフェッショナルとして、データの組み合わせや分析の切り口を考えることはできます。「そこから何が読み解けるのか」「どの切り口を深掘っていくべきか」を考えるフェーズでは、医療分野を専門とするアステラス製薬さんのお知恵が不可欠です。共同制作のように意見を出し合えたことが、アウトプットのクオリティ向上に寄与しているのではないでしょうか。
齋藤:定例ミーティングに加えて、少しでも気になる点があればすぐディスカッションに応じていただけるのでありがたいです。こちらが無理を承知で「こんなことできませんか?」と投げかけても、可否をストレートに伝えつつ「この切り口なら近いデータが見られるかもしれません」という提案をいただけるので、安心してキャッチボールできます。
連携データの拡充で分析の高度化を目指す
MZ:最後にお2人の展望をお聞かせください。
齋藤:営業の第一線を含め、情報提供活動を巡る一連の流れがデータドリブンになっていくべきだと思っています。たとえ医療に特化していないデータであっても、切り口を工夫すれば使えることがCustella Analyticsを通じてわかりました。担当者の勘と経験も大事にしつつ、より精緻な仮説を基に全ての担当者が動ける組織を作っていきたいです。
キャッシュレスデータの可能性は正直まだまだ引き出し切れていないと思っています。今後は購買情報やカード利用者の嗜好性などのデータも活用しながら、三井住友カードさんと一緒に自社のマーケティング課題を解決していきたいですね。
福武:世の中にはキャッシュレスデータ以外にも位置情報やPOSデータ、商品情報など様々なデータが存在しています。特にキャッシュレスデータは商品情報が取得できないので、ご一緒できるデータホルダーを探してCustella Analyticsのアセットを強化していきたいです。
齋藤:そのお取り組みにはかなり期待をしています。ソースが異なる集計データを結びつけることは困難なので、三井住友カードさんが横のつながりを強化してくださると、さらに深い分析ができるのではないかと思います。