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ノバセル田部正樹の事業を成長させる“商売視点でのマーケティング”とは

自社ビジネスのドライバーは何か?を見極めよう。足立氏×田部氏が議論した事業成長のためのマーケティング

 ノバセルの田部正樹さんが有識者・第一線のマーケターとともに、事業成長に“真に”貢献するマーケティングとは何かを探っていく本連載。第2回のゲストにはファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の足立光さんをお招きしました。数々の会社を成長させてきた足立さんが考えるマーケティングとは、どのようなものでしょうか。

マーケティングの役割は大きく分けて3つ

田部:この連載は、事業成長に真に貢献するマーケティングのあり方や、それを展開していくためにはどうすればよいのかを考える目的でスタートしました。本日はファミリーマート CMOの足立光さんをお招きしています。早速ですが、足立さんが考えるマーケティングの定義や役割についてお聞かせください。

足立:私は3つに分けて考えています。1つ目は、広告やいろいろなコミュニケーションを通してお客様の心に影響を与え、結果的に行動を変えること。広く解釈すると選挙活動や人事担当者なども、心にはたらきかけて行動を変える点においては一緒だと思っています。

 2つ目は“Do everything which directly or indirectly”、「必要なことは全部やる」ということです。プロジェクトマネジメントやプロデューサーのような役割が、現場では大きなバリューを発揮します。特に新しいことをするときは、どの部署に当てはまるのかわからない仕事が出てきますので、それらを全部拾って、自分でするなり誰かに割り当てるなりして仕事を回すのです。

 そして3つ目は、経営者の視点で、利益や成功を継続的に再現できる仕組みを作ること。施策には成功も失敗もあります。その中でも成功したものを、担当者が変わろうと何回でも再現できることが重要です。属人性が高く、成功しても再現できないものは、企業としては意味がありません。ちなみに再現性を作る仕組みに関しては、ブランドを作って認知を高める、いい組織を作る、チェックポイントやチェックリスト、プロセスを作るといった方法などがあります。

株式会社ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター、チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO) 足立光氏
株式会社ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター、チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO) 足立光氏

 1つ目がよく言われる「マーケティング」で、2つ目や3つ目は意外と忘れられているのではないでしょうか。特に3つ目は、私も役職者になるまではあまり意識していませんでした。マネージャーなど、組織の上の立場になると、自分がいなくてもきちんと仕事が回る仕組みを作らないといけなくなります。そうでなければ、その人がいなくなると組織ごと崩れてしまいます。

 CMOやマーケティング責任者が追うのは売上なのか利益なのか、といったことは企業によって異なりますが、どの指標を追うにしても、最終的にビジネスを作ったり伸ばしたりすることが、マーケティングの仕事です。それを達成するために効果があるアクションとは何かを、取捨選択していくことに尽きるのではないでしょうか。

自社ビジネスのドライバーは何か?を考え抜く

田部:マーケティングのゴールがビジネスを伸ばすことだという大前提に、強く共感します。意外と、売上や会社の成長との相関関係がつかめていないまま、ブランドイメージを上げることに躍起になっている企業や担当者も多く、課題だと感じています。

ノバセル株式会社代表取締役社長 兼 ラクスル株式会社取締役CMO 田部 正樹氏
ノバセル株式会社代表取締役社長 兼 ラクスル株式会社取締役CMO 田部 正樹氏

足立:間違ったKPIを追うと間違ったことをしてしまうので、それはKPIを決める人の役割だと思います。私の場合は「何がこのビジネスをドライブしているのか?」を考え抜いて決めています。

 ファミリーマートでは、人々の潜在意識にあるイメージがドライバーだと考えました。消費財を扱うビジネスなので、ほとんどの人は「なんとなく」来店する意思決定をしています。1ヵ月前から「ファミマに行こう」と思っている人はいないわけです。ふと「ご飯を食べに行こう」と思う瞬間、人々の選択肢に入れているか。それを左右するのが、会社のイメージまたは情報だと思っています。

田部:ファミリーマートさんは今、「お得である」ということを積極的に打ち出されていますが、これが意図的に作っているイメージということなのでしょうか?

足立:はい。決めたイメージを繰り返し訴求することで、浸透させようとしています。いくつかの方向性を検討し、最終的に今お話しいただいた「ちょっと、おトク」を打ち出すことに決めました。

 コンビニには、どのブランドにも、そもそもインフラとしての側面があります。インフラである以上、A店には乾電池を置いていて、B店には置いていないという「差別化」はありえません。大枠は共通であるべきです。

 一方で、ブランドごとの個性はあっていい。ファミリーマートの個性を考えたとき、プライベートブランドが比較的おてごろで、毎週何かしらの商品が値引きされていることなどがあるので、それをそのまま訴求したわけです。競合ブランドはあまりそこを打ち出していないようなので、我々の「ちょっと、おトク」は、違いを出しやすい要素だと思います。

田部:流行っているものが、なぜそうなっているのかを見ていくと、「安い」「早い」「うまい」「簡単」「楽しい」といった要素が見つかります。人間の本質的な欲求に刺さる訴求は、BtoB・BtoC問わず、やはり強いですね。しかし、会社の本質的な価値と違うところで強みを訴求している会社は、いずれ淘汰されていくと感じています

 続いて、マーケターの間で意見が分かれることもあるいくつかの問題について、足立さんのご見解をうかがっていきます。

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/05/18 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38768

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