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ひとり広報の“孤軍奮闘”状態をどう解決する?原因とできることを考えた

メディアリレーションも孤独を脱するきっかけに

北野:私の場合は、孤独を卒業した理由の一つに、メディアさんとの関係もありました。先ほど雑談をするようになったと言いましたが、雑談を重ねた先に信頼関係が生まれ、その結果、メディアさんから求めてもらえているとか、仲間だと思ってもらえている、と思えるようになったんです。会社にも仲間がいて、他社の広報仲間もいる。人数としては一人でも、孤独ではなくなりました。

本田:昔クライアントさんから「広報部の若手をアポに同席させてもらえないか」とお願いされたことがありました。PR会社が代理で行くものなので、来ていただく必要はないのですが、理由を聞いてみると「実際にメディアの方とやりとりしている場にいることが勉強になる」とおっしゃるんです。これは本当にその通りだと思います。

 営業同行と一緒で、記者の方がどこで響いていたかとか、何か切り返してきたときに、広報は引いたのか、違うネタを出したのか、といったやりとりの妙は、ノウハウ化しづらく、その場にいないとなかなかわかりません。一度本でロールプレイング風に書いてみようとして、やめたことがあります。

北野:プレスリリースの書き方が学べる書籍や記事がたくさん出ているので、メディアリレーション=プレスリリースでリレーションを作る、という考え方になってしまっている人は多いかもしれません。

 ちなみに、雑談について広報従事者を対象にアンケートをとったのですが、結果を見ると、広報側も重要性は感じています。ひとり広報の方々も、どうやるのかを学ぶ機会をもっと持てるといいですよね。

北野氏提供
北野氏提供

マーケターとの相互理解から始めるのもおすすめ

MZ:ひとり広報というテーマを広く捉えてディスカッションしてきました。最後に、皆さんが課題解決に向けて動いていることを教えてください。あわせて、悩んでいる広報さんがアクションにつなげられるようなアドバイスもいただけますか。

日比谷:この4月に『現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識』という本が出まして、私は広報のパートを執筆させてもらったのですが、経営者と同じように、マーケターから見たときの広報のブラックボックス感、もしくは不要な誤解を取り除いていきたいと思って書きました。

 繰り返しになりますが、広報の方は、自分の仕事を他の職種の人にわかりやすく説明する力をもったほうがいい。翻訳して伝えられたら、他の職種とどうやって絡んでいくか、どうやって評価してもらうのがいいのか、などと話が進んでいくはずです。

本田:同感です。最近若手の方にお話ししているのは、マーケティングの達人になる必要はないけれど、マーケティングの中で広報とかPRがどういうものなのかを話せるようになると、少しやりやすくなるはずということです。経営の勉強はちょっと難しいとしても、マーケティングは近い領域で、取っ掛かりも掴みやすいのではないでしょうか。

 ひとり広報さんに役立ててもらえるコンテンツとしては、広報アカデミー「SCALE PR ACADEMY」第3期を開講中です。参加無料で、ベーシックスキルの習得にも使ってもらえると思います。

日比谷:もう一つ言うと、私もその一人ですが、最近はマーケティングと広報、営業と広報など、複数の職種を経験している人が増えています。北野さんのように広報からマネージャー職に就く人も増えているので、状況は変わってくるかもしれませんね。

本田:10年後は本当に、そういう人材が増えるでしょうね。ひとり広報問題なんて、遠い彼方に消え去っていればいい。

北野:「そんなことを言っていた時もあったね」みたいになるといいですね。私から伝えたいのは、今ひとりで頑張っている広報さんも、自分が先輩になったときは、自分の経験ややって良かったことを、どんどん周りの子たちにシェアしていってほしいということです。自分が教えてもらったように、後輩たちにも同じようにシェアし、伝えていくという考えは、重要かなと思います。

MZ:お三方、本日はありがとうございました。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2022/05/24 09:00 https://markezine.jp/article/detail/38808

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