4月19日、ニールセン スポーツは、2022年グローバル スポーツ マーケティングレポート「ファンがゲームチェンジャーになる」を発表した。
世界のスポーツファンの40.7%がライブ配信を視聴
ファンの視聴体験がどのように変化したかを見てみると、コネクテッドデバイスの急速な普及にともない、世界のスポーツファンの40.7%が、デジタルプラットフォームを介してスポーツのライブ配信を視聴している。一方、日本での同様の項目は18.4%だった。
また、デジタルプラットフォームの拡大にともなって、オーバーザトップ(OTT)メディアの権利が増加すると考えられる。これには、過去2年間でヨーロッパのトップサッカーリーグでは19%増加したことや、また2023年までに男子テニスATPツアーは31%増加するとの予測が含まれている。
ハイライトやリキャップなどの放送では、コンテンツ全体の需要は依然として高く、試合やイベント自体とほぼ同じレベルということがわかった。ニールセンは、スポーツの生中継に関連して、日本では21.7%が、グローバルでは39.4%のファンがライブ配信以外のコンテンツを視聴すると推定している。
また、スポーツの視聴者はマルチスクリーンでの視聴体験を楽しむようになっている。スポーツ視聴者の47%が同時に他のライブコンテンツを視聴しており、これは昨年に比べて5%増加している。
女子スポーツへの非バンドルスポンサーシップ投資が146%増
2020年の27%の増加と比較して、女子スポーツ(UEFA、FIFA、ワールドラグビー)への非バンドルスポンサーシップ投資が前年比で146%増加したと推定。より多くの女子スポーツが放映されるようになり、女子スポーツに固有のスポンサーシップの機会が増えている。
これは、多くのブランドにとって、以前までは男子スポーツのスポンサーシップではリーチできなかった層に対してもメッセージを届けられていることを意味する。
スポーツスポンサーシップは107%増加
スポーツスポンサーシップは2021年に107%増加。20業界、7市場で合計100件のスポンサーシップを分析した結果、スポーツスポンサーシップがファンベースの購入意向を平均で10%向上させたことがわかった。なお、日本での同様の項目は5.9%。全体として、ニールセンが行った2021年の広告信頼度調査では、世界の回答者の81%が、スポーツイベントでのブランドスポンサーシップを完全に、またはある程度信頼していることを示している。
「従来世界と現代のデジタルの世界が融合するにつれて、スポンサーシップのライフサイクルが広がり、さらに多くの、よりバランスの取れたマネタイズの機会が生まれています。ブランドが新しいテクノロジーとデジタルプラットフォームを活用して、リニア放送でこれまで存在しなかったファンとのエンゲージメント戦略を構築することが不可欠となります。スポーツファンは今や、大きな変化をもたらすカタリストとなっています。」と同社シニアブランドマネージャーの徳升 宏臣氏は見解を示している。
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