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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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データで読み解く、ポストCookie時代のマーケティング

マーケターはポストCookieをどう捉えているか?調査結果から見えてきた、一般ユーザーとの意識の差

Cookie終焉で、何が課題となるのか?

 ポストCookie時代を迎えるにあたって、今後、改善が必要、課題だと感じていることを尋ねました。

 大きな課題として挙がったトップ2は、「ユーザーの分析が難しくなる」「ターゲティングの精度が下がる」でした。私見となりますが、ユーザー分析の課題と、ターゲティングという広告関連の課題が同程度のレベルとして、的確にCookie終焉が捉えられている点は意外でした。また、個人情報保護法改正の施行が2022年4月より始まりましたが、多くのデジタルマーケターにおいてその対応が必要なため、課題感が高まっているようです。

ポストcookie時代を迎えるにあたっての改善点・課題点 上位10(回答者:デジタルマーケター127名/複数回答)

ポストcookie時代を迎えるにあたっての改善点・課題点 上位10

(回答者:デジタルマーケター127名/複数回答)

 業界別で見てみます。

 すべてを課題として網羅的に捉えているのが、広告会社、ITテクノロジー・コンサルティング業界でした。これは、ポストCookieに関するキーワードやソリューションの認知と同様に、事業会社やメディアを啓蒙する立場であるためだと考えられます。その中でも広告会社は、「ターゲティングの精度が下がる」「コンバージョンが取れない」といった、より広告寄りの課題に対するスコアが高くなっています。

 ITテクノロジー・コンサルティングは企業サイト、メディアサイトをコンサルティングしていることもあってか、「ユーザーからのPII(個人情報)許諾」が業界の中で最も高くなっています。

 また、広告会社、ITテクノロジー・コンサルティング、メディアは、「大手プラットフォーマーの動向に影響される」「代替ソリューション選択の難しさ」が50%を超えました。「システム改修の発生」に関してはメディア、ITテクノロジー・コンサルティング業界が他より高く、事業会社やメディアのユーザーの情報管理がCookieメインからの変更を余儀なくされる、ということを意味しているものと思われます。

<業界別>ポストcookie時代を迎えるにあたっての改善点・課題点 上位10(回答者:デジタルマーケター127名/複数回答)

<業界別>ポストcookie時代を迎えるにあたっての改善点・課題点 上位10

(回答者:デジタルマーケター127名/複数回答)

今後のデジタルマーケティングの展望

 ポストCookie時代を迎えるにあたって、今後のデジタルマーケティングについてどのように考えているのか、「A:技術の発展により更なるマーケティングの進化がある」「B:これまでの技術を活用できる旧来型のマーケティングに戻る」の2点を挙げ、どちらに考えが近いか回答していただきました。

 今後の展望としては、「A:技術の発展により更なるマーケティングの進化がある」が48.8%(Aに近い+ややAに近い)と多数を占め、総じてCookie終焉により一時的に現状できていたことができなくなる面はあるが、新しいソリューションの誕生への期待感がうかがえます。

今後のデジタルマーケティング展望(回答者:デジタルマーケター127名/単一回答)

今後のデジタルマーケティング展望

(回答者:デジタルマーケター127名/単一回答)

 個別業界に見てみると、広告会社や、ITテクノロジー・コンサルティング業界が、「B:旧来型のマーケティングに戻る方向性」が他の業界よりもスコアが高く、Cookieの代替ソリューションをまだ見出せていないとも考えられます。

<業界別>今後のデジタルマーケティング展望(回答者:デジタルマーケター127名/単一回答)

<業界別>今後のデジタルマーケティング展望

(回答者:デジタルマーケター127名/単一回答)

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デジタルマーケターと一般ユーザー、意識の違いは?

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この記事の著者

斉藤 司(サイトウ ツカサ)

株式会社マクロミル 執行役員/データビジネスデザイン本部 本部長

元放送作家。デジタルアドバタイジング・コンソーシアム株式会社、AmericaOnline(現 Verizon Media )、C Channel 株式会社を経て2017 年にマクロミルに入社。デジタルマーケティング部事業部長を経て、現在は執行役員...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/05/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38903

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