SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

データで読み解く

急成長するメンズメイク市場 コスメ業界の新ビッグユーザー「メイク男子」を徹底解明

外見ケアへの惜しみない投資 根本にあるメイク男子の価値観とは

 最後にブランド・価値観データを通じて、メイク男子の購買傾向や、その背景にある意識を明らかにしていきます(図表5)

図表5 メイク男子のブランド・価値観(メイク男子の特徴的な項目をハイライト表示)(タップで画像拡大)
図表5 メイク男子のブランド・価値観(メイク男子の特徴的な項目をハイライト表示)(タップで画像拡大)

 はじめに、持っていてお気に入りの服を確認すると、「BEAMS」「nano・universe」「UNITEDARROWS」などのセレクトショップ系のブランドや「GUCCI」「COACH」などのハイブランドの割合が高く、高価格帯のブランドを好む傾向にあることが考えられます。

 次に、使用している美容アイテム・理美容家電を確認すると「日焼け止め」「保湿剤」「シートマスク・パック」などの利用割合が高く、また「脱毛器・除毛器」「美顔器」といった高価な美容家電の利用も特徴的です。このことから、メイク男子は日頃から入念なスキンケアを実施しており、同時に高価格帯の美容ケアとの親和性が高いことから、美容サロン・クリニックへの関心が高いことが考えられます。

 最後に、この購買傾向の根幹となる意識を突き止めたいと思います。

 消費価値観から、「新商品」や「次から次へ」といった最先端の物を示す項目、また「仲間」「人」「周りの人」といった身近な人間に関係した項目への関心度が高く、パーソナリティ価値観では、「流行」「海外」「ブランド」といった項目のポイントが高くなっています。これらの傾向から、メイク男子は周囲の人間の持ち物に興味関心が強く、周囲の人間よりも価値の高いアイテムを身に着けたいというニーズがあるのではないでしょうか。

 さらに、生き方価値観では、「自分を着飾ることは生活の上で重要だ」について男性全体との差が最も大きいことから、外見を整え周囲への印象を良くしたいというニーズが強いと考えられます。加えて「人の上に立つリーダーになりたいと思う」や「他人が羨むようなものを一つでも多く手に入れたいと思う」のニーズが強く、周囲の人間から羨望の眼差しを向けられるリーダー的存在が理想の男性像となっていると推察できます。

 これらのブランドや価値観のデータから、メイク男子は他人から羨望されるリーダーを目指し、その理想像へ近付くために、多種多様な美容アイテムの使用や、高級ファッションを選好するなど、外見ケアへの投資を惜しまない購買傾向にあることが推測されます。

遅れるなかれ メイク男子獲得の戦略ヒント

 ここまで、マクロミルの「ブランドデータバンク」、消費者購買履歴データ「QPR」を用いて、メンズメイク市場の動向とメイク男子の実態を明らかにしました。

 今回の分析結果から、メンズメイク市場は今後も飛躍的に成長することが考えられ、様々な企業が男性ユーザー獲得に向けてのマーケティング施策を行うと予測します。

 このユーザー獲得が激化する市場の中で、さらなるメイク男子獲得のためには、「他者から羨望されるリーダー的存在への憧れ」といったニーズを満たす商品開発やコンセプト訴求が重要であり、具体的には、より男性が使いやすい商品設計や、メイクアップにより信頼感が向上するといったコンセプト訴求の効果が高いと考えます。

【ブランドデータバンク調査概要】
調査方法:インターネット調査(マクロミルリサーチパネル)
調査期間:2022年1月21日(金)~2022年2月1日(火)
調査タイトル:「生活に関するアンケート」
調査対象:全国15~69歳の男女
総サンプル数:n=31,130

【消費者履歴購買データ「QPR」調査概要】
調査方法:QPR(消費者購買履歴データ)による実データ取得
調査期間:2019年1月1日(金)~2021年12月31日(火)
調査対象:全国15~69歳の男女
総サンプル数:n=30,000

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
データで読み解く連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

笠原 聖大(カサハラ マサヒロ)

株式会社マクロミル
データビジネスデザイン本部 テクノロジー&デジタルプロダクツ部 イノベーションイニシアティブ G

米国ウィスコンシン州立大学にてビジネスアナリティクスを就学し、データサイエンスを専攻。マクロミル入社後、データアナリストとしてプロダクト開発部門に所属する。行動と意識のデータを掛け合わせた新規サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/05/27 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39037

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング