生活に深く入り込む「モバイル」
モバイルの検索結果がPCの世界に徐々に近づいている今、改めてモバイルを取り巻く環境の変化を背景に、企業はモバイルサイトをどう生かしていくべきか考えてみたい。
朝起きた時…、電車で通勤中…、お昼休み…、外出時…、夜寝る前…、など様々なシーンで「モバイル」に触れる機会が存在している。朝の目覚ましアラーム、通勤時間のニュースチェック、外出時の乗換案内や地図の確認、クーポン利用など、あらゆる場面で通話・メール以外のモバイル使用シーンが広がっていることは周知の事実である。
この結果を裏づけるように2007年の総務省通信利用動向調査によると、日本のインターネット人口は約8,800万人おり、携帯電話や情報端末からのネット利用者が8割の7,200万人いるという結果が出ている。「モバイル」がいかに人々の生活に深く入り込んでいるかが見て取れる状況だ。
モバイル検索エンジンの精度の高まり
前述のとおり、これまでのモバイル検索エンジンの検索結果といえば、「探したいものに辿りつけない」「欲しい情報が出てこない」など検索精度が高いとはいえず、せっかくモバイルからのインターネット利用が増えても、ユーザーが検索するという行動から、売上などの成果を出す事が難しい状況にあった。そのため、企業のモバイル対策としては「モバイルには全く手を出していない」あるいは「とりあえずモバイルサイトを作っておく」という程度の状況がほとんどであった。
しかし、検索エンジン会社も手を打ち始めている。PCでの主要検索エンジンであるGoogle、Yahoo!はともにモバイル検索エンジンの精度向上に急速な速さで対応し、3か月前と現在を比べてみるとモバイル検索エンジンの精度は着実に進化・向上している。
例えば3か月前、Googleモバイルでは、無料のモバイルサイトスペースを使用し「類似したサイトを大量に作成、それぞれを相互リンクする」といった小手先の手法を用いたサイトが上位に多く表示されている状態であったが、4月に入りこの手法を用いて上位に表示されるサイトを見る機会が少なくなっていることからも、進化・向上の一片が見て取れる。