家庭に「おいしいね!!」の声を生み出す
水野:「Oishiine!!(おいしいね!!)」はどんなコミュニティなのでしょうか?
岩城:一言でいうと、毎日の食卓に「おいしいね!!」の声を生み出すコミュニティです。テーマは「日常のごはん」。忙しくても一生懸命つくったごはんだからこそ、おいしく食べてもらいたい──そんな想いをすくい上げ、育むコミュニティです。
水野:レシピなど、料理に関するコンテンツが中心ですか?
岩城:はい。マルハニチロから発信する「Oishiine!!便り」をはじめ、レシピコンテンツ「Oishiine!!レシピ」を運営しています。
岩城:Oishiine!!レシピでは、会員がレシピを自由に投稿する「みんなのレシピ」のほか、マルハニチロが商品をお渡ししてレシピを考案してもらうミッション方式の企画を年に3~4回実施しています。ミッションを遂行してもらう会員は1回あたり20~30名と少数ですが、料理好きな人が集まっているからか、毎回驚くくらい素敵な写真をいただきます。
岩城:これらの投稿は、マルハニチロとお客様の共有資産です。簡単においしく調理できるアレンジレシピは、会員からたくさんの「いいね!」を集めています。
悩みから生まれる納得感の高いアイデア
水野:Oishiine!!というコミュニティ名はどのように決められたのでしょうか?
岩城:元々は2013年に「スマート美食CLUB」という名称でスタートしたんです。お客様の声を共有するコミュニティサイトとして、レシピ投稿を中心に運営していました。
ところが、時代とともにスマートフォンやSNSがお客様の生活に定着し「コミュニティサイトにおいても、よりタイムリーな発信と双方向のコミュニケーションが必要なのでは」と着想。全面リニューアルに至りました。リニューアルにともない「コミュニティ名をお客様と一緒に考えてみよう」と募集をかけ、決まったのがOishiine!!です。
水野:コミュニティを運営する企業の場合、社内のメンバーが思いつかないような新鮮なアイデアをお客様の声から得るケースは多いですね。現在のコミュニティで、そうした声を集めるために取り組んでいることはありますか?
岩城:2020年にスタートした「みんなで解決!Q&A」は、我々と会員いずれにとっても気づきを与えてくれるコンテンツです。食材や料理のお悩みを質問として投げかけ、会員が回答を送ります。当初はマルハニチロからの質問もありましたが、現在はほとんどが会員からのものです。
岩城:現在では質問に対し、平均で30件以上の回答が投稿されています。企業が一方的に「これいいですよ」と発信するのではなく、会員がお互いに「困っています」「こうすればいいですよ」と意見を交わして生まれるアイデアなので、納得感も高いんです。やりとりを読んでいるほかの会員にとっても、受け入れやすいと思います。