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Withコロナ時代、一歩先行く企業コミュニティの共創最前線

Q&Aの回答数は平均30件超!社員の親しみやすさが魅力のマルハニチロ「Oishiine!!」

 企業が運営するコミュニティを盛り上げるため「特別感」を前面に押し出している例を多く見ます。しかし、今回取り上げるマルハニチロのコミュニティ「Oishiine!!(おいしいね!!)」は、食事や料理といった「日常のごはん」をテーマに据え、会員の支持を集めています。2013年の開設から2018年のリニューアルを経て、長年に亘りコミュニティを活性化させてきた秘訣はどこにあるのか。マルハニチロの岩城奈々恵氏に伺いました。

家庭に「おいしいね!!」の声を生み出す

水野:Oishiine!!(おいしいね!!)」はどんなコミュニティなのでしょうか?

岩城:一言でいうと、毎日の食卓に「おいしいね!!」の声を生み出すコミュニティです。テーマは「日常のごはん」。忙しくても一生懸命つくったごはんだからこそ、おいしく食べてもらいたい──そんな想いをすくい上げ、育むコミュニティです。

Oishiine!!のサイトトップ
Oishiine!!のサイトトップ

水野:レシピなど、料理に関するコンテンツが中心ですか?

岩城:はい。マルハニチロから発信する「Oishiine!!便り」をはじめ、レシピコンテンツ「Oishiine!!レシピ」を運営しています。

マルハニチロ コーポレートブランディング部マーケティング課 岩城奈々恵氏
マルハニチロ コーポレートブランディング部マーケティング課 岩城奈々恵氏

岩城:Oishiine!!レシピでは、会員がレシピを自由に投稿する「みんなのレシピ」のほか、マルハニチロが商品をお渡ししてレシピを考案してもらうミッション方式の企画を年に3~4回実施しています。ミッションを遂行してもらう会員は1回あたり20~30名と少数ですが、料理好きな人が集まっているからか、毎回驚くくらい素敵な写真をいただきます。

会員が撮影した写真付きの投稿
会員が撮影した写真付きの投稿

岩城:これらの投稿は、マルハニチロとお客様の共有資産です。簡単においしく調理できるアレンジレシピは、会員からたくさんの「いいね!」を集めています。

悩みから生まれる納得感の高いアイデア

水野:Oishiine!!というコミュニティ名はどのように決められたのでしょうか?

岩城:元々は2013年に「スマート美食CLUB」という名称でスタートしたんです。お客様の声を共有するコミュニティサイトとして、レシピ投稿を中心に運営していました。

 ところが、時代とともにスマートフォンやSNSがお客様の生活に定着し「コミュニティサイトにおいても、よりタイムリーな発信と双方向のコミュニケーションが必要なのでは」と着想。全面リニューアルに至りました。リニューアルにともない「コミュニティ名をお客様と一緒に考えてみよう」と募集をかけ、決まったのがOishiine!!です。

水野:コミュニティを運営する企業の場合、社内のメンバーが思いつかないような新鮮なアイデアをお客様の声から得るケースは多いですね。現在のコミュニティで、そうした声を集めるために取り組んでいることはありますか?

岩城:2020年にスタートした「みんなで解決!Q&A」は、我々と会員いずれにとっても気づきを与えてくれるコンテンツです。食材や料理のお悩みを質問として投げかけ、会員が回答を送ります。当初はマルハニチロからの質問もありましたが、現在はほとんどが会員からのものです。

みんなで解決!Q&Aの質問と回答(一部抜粋)
【クリック/タップで拡大】みんなで解決!Q&Aの質問と回答(一部抜粋)

岩城:現在では質問に対し、平均で30件以上の回答が投稿されています。企業が一方的に「これいいですよ」と発信するのではなく、会員がお互いに「困っています」「こうすればいいですよ」と意見を交わして生まれるアイデアなので、納得感も高いんです。やりとりを読んでいるほかの会員にとっても、受け入れやすいと思います。

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この記事の著者

水野 慎也(ミズノ シンヤ)

株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト
デジタルマーケティングを中心に、IT製品・サービス市場の調査分析を通し国内企業のITや企画部門向けにコンサルティング活動を行う。 自身も前職のカゴメでは、ファンコミュニティサイト“&KAGOME”の担当者として運営をリードした実績を持つ。
【関連リンク】アイ・ティ・アール

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39337

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