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コトラー氏が語る、これからのマーケティングに必要な5つのキーワード【お薦めの書籍】


 パンデミックにより、私たちの生活のデジタル化は加速しました。こうした変化の中でマーケターは、マーケティングをどのように行っていけばいいのでしょうか? 本記事では、マーケティングとイノベーションの世界的権威であるフィリップ・コトラー氏の書籍『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』を紹介。変化を続ける社会でマーケターが取り組むべきことをまとめた同書から、今後マーケティングに取り組むうえで必要な5つの要素を紹介します。

テクノロジーと人間の役割分担はどうすべきか

 今回紹介する書籍は、『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』(朝日新聞出版)。著者は、マーケティングとイノベーションの世界的権威であるフィリップ・コトラー氏と、インドネシアを中心にアジアで経営コンサルティングを行っているマークプラスの創業者で執行役会長のヘルマワン・カルタジャヤ氏、同社のCEOであるイワン・セティアワン氏です。

『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略」』<br />フィリップ・コトラー(著)、ヘルマワン・カルタジャヤ(著)、イワン・セティアワン(著)、恩藏直人(監修)、藤井清美(翻訳)朝日新聞出版2,500円+税
『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』
フィリップ・コトラー(著)、ヘルマワン・カルタジャヤ(著)、
イワン・セティアワン(著)、恩藏直人(監修)、藤井清美(翻訳)
朝日新聞出版2,500円+税

 同書で書かれているマーケティング5.0は世代間ギャップ、富の二極化、デジタル・ディバイド(ITの情報格差)という3つの大きな課題を背景に登場しました。AI、センサー、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、IoT、ブロックチェーンなどを組み合わせて、カスタマージャーニーの全工程で価値を生み出し、伝え、提供し、高めることを指します。

 コトラー氏は同書の中で「人間だけが、他の人間を理解することができる」と述べています。どれだけテクノロジーが進化しても、人間のマーケターの存在は依然として重要ですが、加えて同氏は「マシンと人間はそれぞれどこに適していて、どこで最大の価値を提供できるかを明らかにする」ことが大切だと述べました。

 では、マシンと人間それぞれの価値を最大化し、マーケティング5.0を実現するにはどうすればいいのでしょうか。次の見出しでは、今後マーケティングに取り組む上で必要な5つの要素を紹介します。

マーケティング5.0を構成する要素とは

 eコマースの爆発的な成長やSNS、検索エンジンの台頭など、テクノロジーの進化で生活にも様々な変化が起こっています。しかし、デジタルの文脈で語られるマーケティングは、「顧客をデジタル・チャネルに移行させるとか、デジタル・メディアへのマーケティング支出を拡大するといったことに留まっている」とコトラー氏は指摘しました。

 コトラー氏は、マーケティング5.0を実現するためには、テクノロジーを駆使しながら次の5つの方法に取り組むことが重要だと解説しています。

【規律】
1.ビッグデータを使って、より情報に基づいた決定を下す(データドリブン)
2.マーケティングの実行をスピードアップする(アジャイル)

【アプリケーション】
3.マーケティング戦略・戦術の結果を予測する(プレディクティブ、予測に基づいた)
4.文脈にあったデジタル体験を物理的世界に持ち込む(コンテクスチュアル)
5.現場のマーケターの価値提供能力を拡張する(オーグメンディッド、人間の能力の拡張)

 この5つの構成要素は、2つの規律と、3つのアプリケーションで成り立っています。2つの規律とは、データドリブン・マーケティングと、アジャイル・マーケティングです。

 1つ目のデータドリブン・マーケティングの規律とは、「あらゆる決定が十分なデータに基づいて行われてなければならない」ことを指します。具体的には、企業内外の様々なデータを活用した分析やデータをもとにしたマーケティングの意思決定、データエコシステムの構築などが挙げられます。

 2つ目の規律はアジャイル・マーケティングです。同マーケティングの規律は、「絶えず変化する市場に対処し、組織の俊敏性やマーケティングを確実に成功させる」こと。具体的には、分散型や部署横断型のチームを組成し、製品やマーケティング・キャンペーンのコンセプト作り、設計、開発、検証を迅速に行うことを指します。

 このように企業は「データドリブン能力を構築することから始めなければならない。実行の成否を左右するのは結局のところ実行する組織の俊敏性」が必要だとコトラー氏は説明しました。

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この記事の著者

齋藤 ゆう(編集部)(サイトウ ユウ)

大学卒業後、広告代理店に入社しマーケターに。その後、事業会社に転職。金融・美容分野のマーケティング・企画・運営・セールスに携わる。2020年、翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/13 15:10 https://markezine.jp/article/detail/39385

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