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定期誌『MarkeZine』巻頭インタビュー

多様性こそイノベーション創出の原動力 可能性を切り拓く渋谷未来デザイン

 2018年4月に設立された渋谷未来デザインは、渋谷区、企業、大学の産官学が集まった一般社団法人で、そのコンセプトは「多様性あふれる未来に向けた世界最前線の実験都市『渋谷区』をつくるイノベーションプラットフォーム」としている。世界各国から様々な人が集まるまち・渋谷について、カルチャーやスポーツ、アート、イベント、行政サービス、そしてテクノロジーという軸で可能性を広げ、新しいイノベーションを推進するというもので、ここから生まれた新しい取り組みや可能性は数知れない。そんなイノベーションを生み出す渋谷未来デザインの原動力や組織づくりについて、元レッドブル・ジャパンのCMOで2022年4月に新しく渋谷未来デザインの理事・事務局長に就任した長田新子氏に聞いた。

※本記事は、2022年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』79号に掲載したものです。

渋谷未来デザインはいかに生まれたのか

一般社団法人渋谷未来デザイン 理事・事務局長 長田新子(おさだ・しんこ)氏

 AT&T、ノキアにて通信・企業システムの営業、マーケティング及び広報責任者を経て、2007年にレッドブル・ジャパンに入社。コミュニケーション統括責任者及びマーケティング本部長(CMO)として10年半、エナジードリンクのカテゴリー確立及びブランド・製品を市場に浸透させるべく従事し2017年に退社。2018年の設立当初から渋谷未来デザイン理事・事務局次長として、都市の多様な可能性をデザインするプロジェクト活動を推進。2022年4月より、事務局長に就任。同時に、NEWKIDS代表としてマーケティング・PR関連のアドバイザーやMetaverse Japan代表理事、マーケターキャリア協会理事及び女性複業支援企業等でキャリア支援活動も積極的に行う。著書に『アスリート×ブランド感動と興奮を分かち合うスポーツシーンのつくり方』(宣伝会議)、渋谷未来デザイン編・著書として『変わり続ける!シブヤ系まちづくり』(工作舎)。

——いま、多様性を取り入れてイノベーションを創出したいと考えている経営層は増えていますが、成功している企業はまだ少ないのが現状です。そこでこの取材では、渋谷未来デザイン(以下、FDS)がどのように多様性を取り入れてきたのか、イノベーションを起こし続ける秘訣についてお伺いしていきます。まずはどのような経緯でFDSが設立され、どのような実績を積み上げてきたのか教えてください。

 当社団法人の設立は2018年ですが、実はその5年以上前から渋谷区がオープンイノベーションを推進する団体を外部に作るために準備を進めていました。民間企業主導のまちづくり団体は多いと思いますが、行政がメインで立ち上げた団体はFDSが初めてかと思います。

 設立の背景にあったのが「区役所の限界」です。私たちは企業や市民と共に多様なアプローチで、課題解決だけではなく「可能性開拓型」のプロジェクトを推進しているのですが、区政において、とりわけ税金を適用するとなると、“課題”に予算はついても“可能性”には予算がつきません。渋谷区は区民税でほぼ成り立っている区なので、行政は区民のための施策が主になるのです。

 とはいえ、渋谷区には住んでいる人もいれば働いている人もいる、学んでいる人や遊びに来る人などたくさんいます。これらすべてを含めて「渋谷民」と呼び、都市の魅力を伝えて共にまちづくりをしていくために、行政、民間企業、大学を含めて一緒に進める団体を立ち上げようということになり、FDSが誕生しました。

 そして渋谷が掲げる目指すべきまちの姿として7分野を掲げ、スピード感をもって一緒にやっていこうということで、発起人である長谷部健渋谷区長が、我々の代表にまちづくりの専門家である東京大学教授の小泉秀樹氏を招き、産学官連携の団体が立ち上がったのです。

渋谷未来デザインの仕組み
渋谷未来デザインの仕組み

都市の可能性を広げるユニークな事業を展開

——これまで進めてきたプロジェクトを教えてください。

 渋谷はダイバーシティを象徴している都市であり、多様性あふれる未来に向けた実験都市「渋谷区」を作るプロジェクトや、渋谷というフィールドを活用して実験した成果を他の都市にロールアウトしていくモデルができないかということで、様々なプロジェクトを進めてきました。大きく「イノベーション」「インキュベーション」の2分野において、いくつかのプロジェクトを進めています。

 これまで数年かけて取り組んできた事業のなかから、根幹事業として利益を出しながら進めていけそうなものを「イノベーション」と呼んでいます。具体的には数年間続けている「ダイバーシティ&インクルージョン事業」のほか、テクノロジーを活用して都市のカルチャーをアップデートする「創造文化都市事業」、次世代に向けて都市型スポーツのカルチャーを発展させる「アーバンスポーツ事業」、そして「子育て・教育事業」やSDGsの理念を実践する「サスティナブル事業」があります。

 一方、「インキュベーション」は研究的な要素が多いのでコンソーシアム型プロジェクトが多いことが特徴です。データを活用した新しいまちづくりを考える「スマートシティ事業」、防災やスポーツ分野など多様な視点でパブリックスペースの利活用に取り組む「公共空間NEXT事業」、そして渋谷のなかでも住宅地である笹塚・幡ヶ谷・初台エリアの住民と共にまちづくりに取り組む「市民共創事業」などがあります。

2022年度のプロジェクト(タップで画像拡大)
2022年度のプロジェクト(タップで画像拡大)

——特に注目されているプロジェクト、またその成果はどのようなものでしょうか。

 ダイバーシティ&インクルージョン事業で生まれた「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA」(SIW)は規模や注目度、成果において大きなプロジェクトですね。これは国内最大級のソーシャルデザインをテーマにした都市フェスで、2020年からはハイブリッドで開催しています。

 今年の3月に立ち上がった、私と馬渕邦美さんが代表理事を務める「一般社団法人Metaverse Japan」もSIWがきっかけで生まれました。また、アサヒビールが提唱している「飲む人も飲まない人も、適切なドリンクをスマートに楽しめる『スマートドリンキング(スマドリ)』」についてもここから様々なアイデアが誕生しています。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/25 07:30 https://markezine.jp/article/detail/39451

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