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特集:TikTok×マーケティングの最前線

大バズリから1年経過後も話題沸騰のリップモンスター 戦略的SNS活用に学ぶ、TikTokマーケの秘訣

一時的なバズで終わっていない、リップモンスターに学ぶこと

──そうした話題作りが功を奏し、リップモンスターは「TikTok売れ」を代表する商品となっています。

岩田:冒頭でもお話ししましたが、おかげさまで口紅シリーズのカテゴリで全メイク市場シェア1位を獲得することができ、現在までの累計出荷本数も350万本を突破しています(2022年5月20日時点)。「TikTok売れ」に関しては、商品を発売し、TikTokのエフェクトを展開し始めた数日後に若井から「すごく話題になっている」と連絡が来て。TikTokの施策をスタートした翌週には欠品する店舗もありました。

若井:TikTokだけでなく、美容家さんや美容垢さんのTwitterやInstagramでも話題にはなっていました。ですので、ブランド公式のYouTubeやその他のSNSを使ったコミュニケーション施策も話題化の重要なポイントだったと思います。ただ、TikTokでここまで大きなバズが起きたのは、これまでそこまで口紅に関心を持っていなかった方やこれまでKATEが接触できていなかった方々にリーチし、興味を持ってもらえたからだと分析しています。

──リップモンスターに関しては、一時的なバズで終わることなく、今も高い話題性をキープされています。これは、なぜなのでしょうか?

岩田:情報をどう作って、それをどのタイミングで、どうお客様に届けていくかという情報のサイクルの設計が重要であることを、我々も今回改めて実感しました。SNSやプラットフォームを網羅的に活用している中で、常に意識しているのは「各タッチポイントを回遊してくださるお客様をいかに増やしていくか」です。今回で言うと、ティザー期のYouTube、Twitter、InstagramからTikTokへと回遊を促すために、様々な種まきをしました。たとえば、YouTubeで色名に秘められたストーリーを紹介してTwitterでさらなる考察を促したり。2022年4月に新色を発売した時には2色のリップを混ぜて使って自分のお気に入りのカラーを見つける「ミックスモンスター」という企画を展開してみたり。常にお客様とのタッチポイントを持てていられるように、新しい情報を入れ続ける姿勢でいます。

──TikTokのバズに関しても、「たまたま運が良かった」というものではなく、戦略的に仕掛けられているところが他の事例にはないポイントだと思います。マーケティングにおけるTikTok活用のポイント、コツをぜひ教えていただきたいです。

若井:TikTok活用のポイントはよくご質問いただくのですが、やはりTikTokだけを使っても、話題の波は大きくならないと思います。岩田がお話しした、TikTokの周りに種まきをしておくというのは非常に重要です。TikTokでリップモンスターのエフェクト動画を見て、そこで終わる方もいらっしゃると思いますが、その後ネットで口コミを調べたり、Instagramで検索したり、なにかしらの動きが発生するはずだからです。また、SNSでどれだけバズっても、結局行き着く先は商品であることも今回実感しました。品質が伴っていないと一時的なバズで終わってしまいます。その点、リップモンスターは商品力×コミュニケーションの両方が伴っていると自負しています。

──最後に今後の展望をお聞かせください。

岩田:メイクのカテゴリは、商品の機能ももちろん大事ですが、機能訴求だけでは勝ち続けることはできないと思っています。ですので、お客様の想像を掻き立てるようなワクワク感や高揚感を、言葉で伝えるのではなく、体現するようなプロモーションを行っていきたいですね。

 そして、目に見えないルールに縛られているお客様へ、そこから一歩踏み出すきっかけを与えられるような、一緒に歩んでいけるような存在を目指して、「NO MORE RULES.」というコンセプトのもと、もっとブランドを磨いていきたいと思います。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/26 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39472

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