NFTとの連携は?
山田:海外のメタバースはNFTが前提のものが多いですが、NFTとの連携はお考えですか。

池田:NFTは親和性がかなり高いので、コンテンツや内容としては今後必要な部分だとは思います。ただ、NFTをREV WORLDS自体に機能として実装し、REV WORLDS内で使えるデータをそのまま販売することはまだまだ先の話です。
NFTもそのマーケットも、「よくわからないけど流行っているもの」と認識される方も多いです。不安定な要素を含んでいるため、我々はまだそこに手をつけず、子どもからお年寄りまで、まずはユーザーが安心して楽しめるものを作ります。

「コンテンツもユーザーも協業先もダイバーシティ」がメタバースの魅力
山田:今後、タイアップしたい企業、相性が良さそうな業界などはありますか。
池田:コンテンツもユーザーもダイバーシティなのがメタバースのいいところだと思っています。街として様々なエリアが混在する新宿をメインの舞台としているのも、これが理由の1つです。
極端な話、同じ新宿エリアに他の百貨店が参入してもまったく問題ないと思っています。それが結果的にユーザーの選択肢を増やす、ハッピーな状況だと思います。実際、既に大手の小売企業様とのコラボ企画も進めています。ライバルというよりも、一緒にタッグを組んでメタバースをより発展させていく仲間という認識ですね。
河田:我々は街を作ろうとしているので、街の中にはショッピングも娯楽も、なんでもあるはずなので、パートナー様の業界は限定しません。あえて、相性の良さを考えるならば、ファッションや不動産など「形あるもの」を持つ企業様かと思います。しかし、我々がまだ開発できていないだけで、形のないものでも今までにない方法でPRできるといったことが起こり得るかもしれません。
池田:今後はお買い物以外のコンテンツもどんどん増やしていきたいです。たとえば誰かと一緒に映画を見たり、ドライブをしたり、ライブに参加したりとユーザーの選択肢の幅、楽しみ方の幅を広げたいですね。
目的がなくとも足を運べるバーチャル空間へ
山田:最後に今後の展望について、短期視点と中長期の視点でお伺いできますか。
池田:短期的な部分では、始まったばかりのアプリなので、操作性などをどんどん改修していきます。また、お買い物体験の向上やアバター用のデータ課金、着せ替え券の配布など、基本的な機能やコンテンツを充実して、まずユーザーを増やしていきたいです。
中長期的には、高アクティブ率を維持したコミュニケーションのきっかけとなる存在になりたいですね。目的がなくても何気なくアプリを開いて、「誰か来ていないかな」とか「何か新しいコンテンツはあるかな」と見てしまうような。
山田:10年先を見据えて事業化をしたとのことですが、10年後、20年後にどのような存在になっていたいですか?
池田:リアルの自分とバーチャルの自分がどちらも確立している世界で、リアルの自分と同様に、バーチャルの自分も個性を表現する世界になりたいですね。人によっては、リアルよりバーチャルでの自己表現に注力するかもしれません。そのような時代になった時に、当たり前のように皆さんがREV WORLDSを開いていただけると嬉しいですね。
河田:メタバースの可能性でいうと、バーチャルはリアルと違って在庫リスクを考えずにトライアルができます。特にアパレルは時に、在庫リスクのために、「作りたい」ものではなく「売れるもの」を作る必要があります。デザイナーの卵の皆さんが、バーチャルの世界を通してリアルでも輝けるきっかけになると嬉しいですね。
山田:本日はありがとうございました。