「半歩」先を行くリサーチのポイント【3~4】
3.欲張らない
これは、各設問における分析軸を1つに絞るということです。多くの場合、調査料金はその設問数とサンプル数によって決まっているため、設問数やサンプル数が増えると調査料金が高くなります。一番困るのが、調査表を設計し終わり設問数を数えると、11問というケース。基本的に調査料金は5問か10問のテーブル料金制であるため、11問の場合15問、もしくは20問分の調査料金がかかってしまうことになります。
そこで生まれる発想が、2つだった設問を無理に1問にしてしまう方法です。絶対ということはありませんが、私の実体験(失敗経験)からもこれはお勧めできません。対策としては、最も優先度の低い設問を1つ削る、もしくはお金よりも調査から得られるデータの価値に重きを置き、15問(もしくは20問)料金で実施することが妥当でしょう。
4.手間を惜しまない
誰でも仕事の効率化を図りたいのは当然です。インターネットリサーチが普及している背景はここにあります。ですがここでいう「手間を惜しまない」とは、ずばり「自由回答を恐れない」ということです。自由回答は、集計にも分析にも多くの時間を要します。それに比べ、選択式の設問であれば調査結果をグラフ化することが容易なため、調査結果を視覚的に理解することができます。ただし、「貴重なデータは、そう簡単に手に入るものではない」のです。もちろん苦労すれば必ず報われるというわけではありません。“自由”回答であっても、調査設計時に想定していた域を超えることのない意見ばかりが集まってしまうことも残念ながらあります。
しかし、デザインを評価しているユーザーの中には、「最先端な感じがする」と感じるユーザーもいれば、「ダサカッコいい」と思っているユーザーもいる可能性があります。この2人の当該商品に対するイメージはまったく異なるものですから、プロモーションのアプローチ方法(補給方法など)も当然のように変わってきます。これを選択型の調査にしてしまうと「デザインが良い」でくくられてしまい、表層的な調査結果となってしまいます。つまり、抽象的な表現を細分化し、“ユーザーの言葉で説明してもらう”事で、ユーザーへのアプローチ方法を明確化することができるのです。