友人と共有したいと思う広告
meeboのSeth Sternberg氏も、米国でもまだ本当の意味でのソーシャル広告はまだ登場していない、と言う。同氏は「ソーシャルネットワーク(SNS)は広告に向かないと言う人がいるが、SNSが広告に向かないのではなく、SNSに向かない広告をSNSに表示させようとしているのが現状なんだ」と指摘する。
SNSやブログなどのソーシャルメディア上で広告を表示しても、その広告を否定するようなエントリーがアップされれば、広告は逆効果になる。ソーシャル広告は、広告主にとってはリスクが高く、効果があるのかどうか分からない広告形態になっている、という主張に対し、Sternberg氏は反論しているわけだ。
meeboはWebベースのインスタントメッセンジャー。専用のソフトをダウンロードすることなく、ブラウザーだけで利用できるのが特徴。またウィジェットとしてMyspaceのページなどに埋め込めるようにもなっている。「meebo room」と呼ばれる機能だが、同じmeebo roomウィジェットのスクリプトコードをコピーし埋め込めば、異なるページを見ているユーザー同士でもチャットが可能だ。見ているページが異なっても、同じmeebo roomを通じてユーザー同士がつながれるわけだ。
またmeeboはこの機能のAPIを公開しており、いろいろなサイトがmeebo roomをチャットルームとして搭載し始めている。米大手テレビネットワークCBS系の人気番組Dexterの番組ホームページはmeebo roomを搭載し、ユーザー滞在時間やユーザー登録数など複数のエンゲージメント指標が倍増したという。具体的にはビデオの平均視聴時間が2分半から3分だったのが、meebo room搭載後は6分になった。ユーザーのエンゲージメント指標が向上したことで広告収入も増加したと言う。
meebo上では友達リストのところに、meeboを通じてプロモーションを行っているアーチストのアイコンを表示することが可能。このアイコンをクリックすれば、 meeboの背景がこのアーチストのグラフィックやテーマに切り替わるようになっている。また映画のプロモーションの場合は、映画のアイコンを用意している。ユーザーがそのアイコンの自分のmeebo roomに設置し、それをクリックすれば映画の宣伝ビデオが再生される仕組みになっている。友人たちとビデオを見ながらチャットで盛り上がれるようになっているわけだ。(注:こうしたプロモーション用アイコンは、meeboの日本語バージョンでは未搭載になっている)
Sternberg氏は「人々はコミュニケーションしたがっている。大事なのは、人々が友達に話したくなるような話題を提供するような広告のありかたを模索することだ」と語っている。