ドトールとコメダ、ロイヤル層の利用傾向の差とは?
続いては、カフェチェーンのドトールコーヒーとコメダ珈琲を比較する。

集計対象期間:2022年1月~2022年6月
・ロイヤルティ判定基準
※期間中に各外食ジャンルの中でそれぞれのブランドが利用された回数の割合
Hi:50%以上
Med:20~50%未満
Low:20%未満
Light:当該ブランドの利用回数が3回以下
・量層判定基準
※期間中にブランドを利用した回数
H:24回以上(週1回以上)
M:6回以上(月1回以上)
L:2回以上(3ヵ月に1回以上)
LL:1回(半年に1回)
人数構成比を%で示し、各セグメントの支出総額を円の大きさで表現
ガスト(N=17,663)・ロイヤルホスト(N=4,564)・ドトールコーヒー(N=17,334)・コメダ珈琲(N=13,372)
データを見ると、ファミリーレストランで比較した2ブランドよりも構成比の差は大きい。ドトールコーヒーはよりロイヤルティの高い層に支えられていることがわかる。



ロイヤル層は、カフェチェーン全体と比較してどちらも男性の比率が高めであった。ただドトールのほうがやや年齢層が高く、利用シーンも平日の日中がメインであることから、都市部のビジネスマンの利用が多いことがデータからも伺えた。一方、コメダ珈琲のロイヤル層は午前中に利用している傾向があり、コメダのモーニングがお気に入りなのだと予想できる。
コロナ禍以降、Z世代に支持されたファストフードブランドは?

2019年の1年間の月平均購入金額を1とした時の、2021年12月までの時系列の世代別購入金額を推移で表示
世代の区分は以下の通り。
・Z:1995~2010年生まれ
・Millenials:1980~1995年生まれ
・X:1960~1970年生まれ
最後に、ファストフードジャンルの中からマクドナルドとほっともっとの利用者を、時系列で世代別に比較する。どちらのブランドも、デリバリーやテイクアウトが利用できることから、コロナ禍においてもコロナ前と変わらない水準で推移していた。
世代別にその内訳を見ていくと、2019年にはどちらのブランドにも大きな開きは見られなかったが、コロナが拡大した2020年3月以降に変化が現れた。
マクドナルドはZ世代での利用額が他世代と比較するとやや低迷している時期がある一方、ほっともっとはZ世代での利用額が年々増えていることがわかる。考えられる要因の1つとして、ほっともっとはTikTokの公式アカウントでも積極的にコンテンツを配信し、バズりを生む運用が話題となっていることが挙げられる。
ほっともっとのように、今後Z世代との距離を縮め利用されるブランドになるためには、チャネルに合わせた親近感のあるコミュニケーションが肝になってくるのではないだろうか。
以上、連載の第1回となる本稿では実購買データをもとに外食市場のトレンドを分析した。次回は、支出レコードに記録されたタグデータから「自己投資」や「ご褒美」を目的とした消費について可視化。教育やファッションなど様々なジャンルから生活者のインサイトを紐解いていく。