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フードロス解決と事業成長を両立。急成長サービス「Kuradashi」のマーケとブランドリニューアル

 やむを得ぬ事情でフードロスとなってしまう商品をおトクな価格で販売し、売上の一部は社会貢献活動を行う団体に寄付できることで話題を呼んでいるソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」。本記事では、同サービスがコロナ禍で急成長できた理由や施策、そして7月に行ったブランドリニューアルの内容について、同社のマーケティングを統括するクラダシの溝口りりか氏と、クリエイティブパートナーを務めるDEの牧野圭太氏に話を聞いた。

フードロス解決と顧客への価値を両立するKuradashi

MarkeZine編集部(以下、MZ):最初にクラダシ並びにサービスの紹介をお願いします。

溝口:クラダシは2014年設立の企業で、「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」をミッションとしています。その中で現在取り組んでいるのがフードロスという社会課題の解決です。

株式会社クラダシ 事業推進本部 マーケティング部 部長 溝口 りりか氏
株式会社クラダシ
事業推進本部 マーケティング部 部長
溝口 りりか氏

溝口:日本は世界でも有数のフードロス大国で、流通経済研究所の調査では人口1人当たりの食品廃棄物発生量が世界6位、アジアではワースト1位となっています。また、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」でも、2030年までにフードロスの半減が明文化されています。

 このフードロス問題を解決するために生まれたのがソーシャルグッドマーケットの「Kuradashi」です。Kuradashiでは、食品メーカーがやむを得ない理由で流通に卸せず廃棄してしまっている商品をおトクな価格で販売しています。また、売上の一部が社会貢献団体に寄付される仕組みを導入し、誰でも気軽に社会貢献活動に携われるようにしています。

MZ:メーカーがやむを得ない理由で商品を廃棄しているとのことですが、具体的にはどのような理由があるのでしょうか。

溝口:「規格外」「3分の1ルール」「季節商品」などの理由があります。「規格外」は、商品の割れやパッケージの汚れなど、味や品質には影響がないものの、規格から外れてしまったことで廃棄されている商品のことです。

 2つ目の「3分の1ルール」は、製造日から賞味期限までを3等分し、納品・販売期限を設ける商習慣です。製造から最初の3分の1となる期間を超えると、賞味期限に余裕のある商品でも通常の販路で販売できなくなってしまうのです。

 そして、3つ目は恵方巻やバレンタインのチョコレート、クリスマスケーキなどの「季節商品」です。イベントが終わると売れなくなってしまう商品が多く、売れ残りは廃棄となっている現状があります。

サービス利用のきっかけは「おトク」でいい

MZ:現在は主にどのような方がKuradashiを利用しているのでしょうか。

溝口:利用者の大半が同居している家族がいる30代~50代の女性です。Kuradashiでは普段スーパーで購入できるような商品を多数取り揃えており、各商品の内容量も多いので、ファミリー層を中心に利用いただいています。

MZ:利用する方は、フードロス問題に対する意識も高いのでしょうか。

溝口:Kuradashiを利用する方全員が、フードロスなどの社会課題に対する意識が高いという訳ではありません。私たちも、サービスを利用するきっかけは「おトクだから」で良いと考えています。おトクに商品を購入したことが勝手にフードロスの解決や社会貢献活動につながることが重要です。

 サービスのローンチ当初は、フードロス削減意識の高い方を中心にご利用いただいていましたが、より多くの方が気軽に利用できるサービスを目指すために、商品のおトクさをフックとして打ち出しながら、サービスの利用を通じてフードロスや社会課題に興味関心を持ってもらえるようなコミュニケーションに変えていきました。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/40151

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