博報堂のシンクタンクである博報堂買物研究所(以下、買物研究所)は、これからの買い物の潮流を予測・提言する「買物フォーキャスト2022」を発表した。
同調査は「ブランドパーパスと買物行動」をテーマに、直近1年間で世の中や人々の生活によい影響をもたらしているブランド・企業の姿勢に惹かれて商品を購入した経験を「パーパス買い」と定義。買い物に与える影響を検証した。
パーパス買いの経験が多いのは10代と60代
まず、パーパス買いをした経験の有無について調査した。結果、13%が「ある」と回答した。パーパス買い経験者を年代別に見ると10代と60代が高く、ペルソナの特徴は「お出かけやショッピング好き」「環境意識が高く、環境配慮の行動にも積極的」「情報は誰よりも早く入手し、周りにも広め、仲間の輪の中心にいたい」となった。
パーパス買いをした半数以上の人が指名買い
次に、パーパス買いが購買にどのように影響したかを尋ねた。すると59%が、他の興味のあるブランドよりもパーパス買いをした商品のブランドについて、積極的に情報収集したと答えた。また52%が、お店(もしくはEC)に行く前に購入しようと決めていた。
半数以上のブランドが、パーパス広告への好感が購入金額アップに結び付く
続いて、パーパス共感者とそれ以外とでブランドの購買に差が出るかを購買データと紐づけて分析した。
なお同調査では、ブランドのパーパス広告を認知していて、かつ好感がある人を「パーパス共感者」と定義。また事業者が明らかにパーパスを定義し表明しており、そのパーパスを起点に事業・プロダクト・商品サービス・コミュニケーションのいずれかを展開しているものを「パーパス広告」として選定した。
分析の結果、購入率が5pt以上増えたブランドは、9ブランド中4ブランドとなり、購入金額が110%以上増えたブランドは、9ブランド中6ブランドだった。
【調査概要】
1.ブランドパーパスと買物行動
調査対象:日本全国15~69歳の男女
調査手法:インターネットリサーチ
調査時期:2022年3月
有効回答数:13,311サンプル
調査会社:エムキューブ
2.カテゴリー別パーパス広告
調査対象:日本全国15~69歳の男女
調査手法:インターネットリサーチ
調査時期:2022年3月
有効回答数:美容(女性)、食品・飲料(男女)、トイレタリー(女性)各1,000サンプル ファッション(男女)、自動車(男女)各500サンプル
調査会社:エムキューブ
購買データ:QPR
【関連記事】
・博報堂と楽天が共同研究 楽天市場で“ペア購買”が起こりやすいジャンルは「ルームウェア」
・博報堂、組織開発支援プログラムの提供を開始 企業に向けて創造型の組織づくりを支援
・博報堂、ブロックチェーン企業と新会社を設立 企業のWeb3.0参入を目指し、新しい顧客体験の開発へ
・SDGsを巡る購買行動/10代においては意識の高い層と低い層の両極化が浮き彫りに【博報堂調査】
・博報堂ら、専門チーム「データサイエンスブティック」を発足 AI・データサイエンスでマーケティング支援