CTV広告の投資対効果はいかに?
では、KPI設計、効果検証方法を踏まえて、実際にどのような成果・知見が得られているか、三つの事例を紹介したいと思います。
例1:バンパー広告×CTV広告
まず、YouTubeの6秒広告であるバンパー広告をCTV広告として配信した事例です。バンパー広告の特徴として、リーチ単価が非常に安価である点が挙げられますが、バンパー広告はリーチだけでなく、その後の検索数にも寄与していることが確認できました。

例2:オリジナル楽曲のムービーコンテンツ×CTV広告
次に、オリジナル楽曲をもとにムービーコンテンツをCTV広告で配信した際の事例です。この事例では、CTV広告においては、“耳からの情報”をリッチにすることが、広告の認知、及びその後の検索行動へ寄与するといった示唆が得られています。

例3:アプリインストールを目的にしたCTV広告
最後に、アプリインストール目的でCTV広告を実施した事例を紹介します。
この事例では、同一のクリエイティブをCTV、スマートフォン、パソコン、タブレットの各デバイスで配信し、デバイス別でのアプリインストール単価(CPI)を比較してみました。
結果として、CPIの効率は、スマートフォン>CTV>パソコン>タブレットの順で、CTVがスマートフォンに次いで二番目に効率が優れる結果となりました。
ゲームアプリなど検討期間が短いサービスの場合だと、短期的なコンバージョンで見てもCTV広告との相性の良さが際立っています。

CTV広告の評価手法はこれからどう変わる?
CTV広告とテレビCMは、同じテレビというデバイスへの広告投資のため、「共通指標評価」を模索する動きがあります。
テレビCMは従来通りの指標(アクチュアルのGRP)で評価が行われているケースが多いのが実態で、「テレビCMは、ユーザー行動にどれほど寄与したのかも評価すべきではないか?」という論点が、広告主様の中でも徐々に生まれてきています。
そうした背景から、MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)を導入されている企業も多い状況ですが、分析の重さやコスト感からなかなか活用しきれていないという話も耳にします。
そのような状況を鑑み、弊社でも一定の精度を担保しつつ、よりスピーディにテレビCMとCTV広告の評価が行える仕組みの構築を進めています。
以上を踏まえ、これからはユーザー行動への寄与を軸とし、運用を最適化に導くKPIの精度と、短期でのPDCAを回せる評価手法が増えてくるのではないかと考えています。
第4回予告:消費者視点で見るCTV
次回は、「消費者視点で見るCTV」をテーマに、そもそも消費者にとってCTVとはどんな体験価値があるのかについて掘り下げてみたいと思います。ぜひ、次回もお付き合い下さい。