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事例&データで深掘り!Instagramマーケティングの現在地(AD)

今年のテーマは価値共創。インスタの「今」を総まとめしたHouse of Instagramをレポート

 2022年9月27~28日に開催された、Meta日本法人 Facebook Japan株式会社主催のマーケター向けセミナー「House of Instagram 2022」。過去2年間はオンラインのみの開催であったが、今年はオフラインとオンラインのハイブリッドで開催された。Instagramマーケティングの最新動向が、豊富なデータと事例を交えて紹介された同イベント。本記事ではその1日目の模様をレポートする。

Instagramマーケティング、2022年現在のキーワードは?

 Facebook Japan 代表取締役 味澤将宏氏による講演から始まったHouse of Instagram 2022。味澤氏は「マーケティングを進化させるInstagram」の講演テーマで壇上に立ち、近年マーケティング業界で重要なテーマとなっている「価値共創」と「没入型体験」に対して、Instagramが提供できる価値について話した。

価値共創へのアプローチ「クリエイターマーケティング」

 ソーシャルメディアの拡大・浸透にともない、個人へのパワーシフトが進んでいる昨今、マーケティングにおいてもその流れは顕著に表れている。自身からの発信に加え、利用者やコミュニティ、さらには「クリエイター」のパワーをうまくマーケティングに取り入れるブランドが増えていることは、多くのマーケターが実感しているところだろう。ポイントは、従来のインフルエンサーマーケティングとクリエイターマーケティングとでは、少し概念が異なるということだ。

Facebook Japan 代表取締役 味澤将宏氏
Facebook Japan 代表取締役 味澤将宏氏

 Instagramが考える「クリエイター」とは、「プラットフォーム上で“独自の”コンテンツを生み出し、自分自身のコミュニティを持ち、そして自ら収益を生み出すことができる」存在。マーケティングにおいては、ただ発信をするのではなく、“ブランドと価値を共創する”という重要な役割を担う。「Instagramでは利用者とクリエイターを含めたコミュニティを通して、ブランドの価値を共創することが可能」と味澤氏が強調するように、クリエイターのパワーがブランドのマーケティングを大きく進化させるひとつの要素になっている。

没入感の高い「動画コンテンツ」はInstagramでも急伸長中

 また、オンラインにおけるコミュニケーションは、テキスト主体の時代から写真が付加され、今は動画がメインの時代になっている。Instagramでも、フィード、ストーリーズに加え、リールやARなど動画コンテンツが急増。中でも、リールの伸び率は最も高く、利用者がリールの視聴に費やす時間が利用時間全体の20%を超えるほどになっているという。そして、もう1点特筆すべきは、“楽しみ”と“つながり”の両方を満たす動画プラットフォームとしてのInstagramの特異性にある。

 「Instagramにおいても、動画によるコミュニケーションの比率は非常に高まっています。特徴的なのは、単純に動画を楽しむだけではなく、人とのつながり・コミュニティが重視されていることです。Instagramはマーケティングの観点からも、動画に適し、バランスの取れたプラットフォームであると言えると思います」(味澤氏)

 味澤氏の講演に続き、およそ2時間にわたって行われたHouse of Instagram1日目では、「Instagramの価値共創と没入型体験」に関する最新動向および事例が次々に紹介された。

価値共創マーケティングは「文脈価値」を起点に

 次のセッションのテーマは、「現代に求められる価値共創マーケティング」。ファシリテーターとしてFacebook Japanの倉迫有沙氏が入り、かげこうじ事務所代表の鹿毛康司氏、日本ロレアルの高瀬絵理氏、デロイトトーマツコンサルティング 吉沢雄介氏の3名のゲストとともにパネルディスカッションが行われた。

(左)Facebook Japan マーケティングサイエンスリード 倉迫有沙氏(中央左)株式会社かげこうじ事務所 代表取締役/マーケター/クリエイティブディレクター 鹿毛康司氏(中央右)日本ロレアル株式会社 コンシューマープロダクツ事業本部 デジタルトランスフォーメーション 統括 高瀬絵理氏(右)デロイト コンサルティング合同会社/モニター デロイト パートナー 吉沢雄介氏
(左)Facebook Japan マーケティングサイエンスリード 倉迫有沙氏
(中央左)株式会社かげこうじ事務所 代表取締役/マーケター/クリエイティブディレクター 鹿毛康司氏
(中央右)日本ロレアル株式会社 コンシューマープロダクツ事業本部 デジタルトランスフォーメーション 統括 高瀬絵理氏
(右)デロイトトーマツコンサルティング合同会社/モニター デロイト パートナー 吉沢雄介氏

 最初の話題は「価値共創とは何か?」。まずアカデミックな視点から研究を行う吉沢氏は、人々の価値観が“交換価値”から“文脈価値”に変化していることを示した。文脈価値とは、顧客自身の文脈によって価値が規定されること。「ブランドと顧客が継続的に高め合う価値共創がマーケティングにおいても重要となる」という吉沢氏の説明を受け、鹿毛氏はマーケターの視点から、価値観が変わっていく中での顧客コミュニケーションの仕方について次のように話す。

 「マーケティングでは10年ほど前まで、顧客はみんな同じ顔をしていると考えられていました。1つの蛇口からブランド側が情報を出していくだけで、購買につながっていたのも事実です。ですが今、顧客の顔には多様性、個性があふれています。そうなると、上から目線の情報提供ではダメで、顧客と同じ目線での発信が求められる。さらにここに“文脈価値”が生まれて、顧客間での情報交換が進み、ぐるぐると水が循環するように情報の渦が巻き起こるようになっているんです」(鹿毛氏)

 高瀬氏は、この渦をしっかり巻き起こすために、メイベリン ニューヨークでどのようなクリエイターマーケティングが行われているかを紹介。Instagramには様々なカテゴリのクリエイターがいるが、ブランド側においてはそれぞれの強みを理解した上で、共にコンテンツおよび価値を創り上げていくことが重要となる。メイベリン ニューヨークでも、この点にかなり重きを置いて施策を行っているそうだ。

インフルエンサーにはそれぞれの役割があり、利用者もこれを使い分けて情報を得ている。ブランドはこの構造を理解し、それぞれに合わせて価値を共創していく必要がある
インフルエンサーにはそれぞれの役割があり、利用者もこれを使い分けて情報を得ている。ブランドはこの構造を理解し、それぞれに合わせて価値を共創していく必要がある

 「クリエイターさんの先に視聴者=ファンがいるので、ファンの心を動かすためには、私たちブランドもそこに寄り添うことが大切です。ですので、Instagram上では、クリエイターさんが持っている個性を織り交ぜたコンテンツを展開しています」(高瀬氏)

 ときにはブランドとしての思いを抑える必要もあり、少なからずジレンマもあるというが、クリエイターを尊重して初めてその先のファンに価値が伝わると高瀬氏は考えている。そのためには、そもそもブランドと世界観が一致するインフルエンサーを起用することも重要となってくる。

 一方的な情報提供から、ブランドと顧客が互いに価値を高め合うコンテンツ発信を。価値共創の重要性の高まりを感じるディスカッションとなった。

★参加登録後すぐに視聴可能! House of Instagramのアーカイブ視聴はこちらから★

House of Instagram 2022 参加登録/アーカイブ視聴ページ

※2022年12月31日まで視聴可能

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/14 12:00 https://markezine.jp/article/detail/40350

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