有料課金のCVRが14%向上、CPAは15%改善
MZ:では、コミックシーモアでPCOをどのように活用したのか教えていただけますか?
堀田:コミックシーモアの読み放題サービスは、7日間の無料トライアル期間を終えた後に、課金形態へ移行するという形のサービスとなっています。これまでFacebook/Instagram広告では、広告表示/クリックから7日以内に発生する7日間無料トライアルの登録をCVポイントにする他なく、その後の課金への移行率が考慮できていませんでした。
そこで今回PCOを活用し、「無料トライアル登録を1つ目(浅い階層)のCVポイント」に「有料課金への移行を2つ目(深い階層)のCV」に設定し、有料会員の獲得効率の改善を目指しました。
MZ:それによりどのような成果があったのでしょうか?
堀田:現時点ですでに非常に良い結果が得られています。通常時とPCO活用時で比較すると、有料課金登録のCVRが14%向上、CPAは15%改善されました。
MZ:コミックシーモアでこのような高い成果が出ているのは、CAPIを導入するなど、データマーケティングの基盤をしっかり整えられていることも関係しているのではないかと思います。PCOの有効性を最大限に活かすためには、やはりCAPIの導入が必要不可欠なのでしょうか?
Lin:CAPIの実装は、データマーケティングの基礎的な部分であり、インフラのようなものだと捉えていただくと良いと思います。CAPIを導入するメリットには、広告最適化に必要なシグナルの質と量を担保することと、利用者行動の計測という2つの観点があります。CAPIを実装することで、シグナルロスを最小限に抑えられるので、より高い精度でPCOの最適化が可能になるという意味では、やはりCAPIの導入は不可欠だと言えます。
CAPI実装のメリットとしてPCOの活用にトライしてほしい
MZ:NTTソルマーレは、今回の施策からどのような収穫がありましたか?
成瀬:今回のPCOを活用した取り組みは、業界的にもとても早い段階でのチャレンジだったと聞いています。未知数で新しいチャレンジだったにも関わらず、非常に良い結果を出せたというのは良かった点だと思っています。
MZ:今後チャレンジしていきたい施策などあれば、教えてください。
成瀬:Facebook/Instagramしかり、プラットフォームにおける広告手法は日々アップデートされています。PCOのような新しい機能・仕組みには、今後も積極的にチャレンジしていきたいですね。また、今回は読み放題サービスでPCOを導入しましたが、コミックシーモアでは読み放題サービス以外にも読み切り型の都度課金コンテンツなど様々なサービスを提供しています。今後こちらのサービスでもPCOを活用していきたいと思っており、実際に少しずつ取り組みを進めています。
MZ:最後に、CAPIおよびPCOの実装・活用支援におけるFacebook Japanの展望をお聞かせいただけますか?
Lin:利用者行動の計測、シグナルなどという言葉を出すと、プライバシー保護の問題を心配される方もいらっしゃいます。ですが、CAPIで使用するのはCookie有効時のピクセルと同じレベルの情報で、それ以上のものは求めていません。利用者のプライバシー保護をクリアした上で、データマーケティングに必須のシグナルの質と量を担保できるという点で、CAPIにはぜひ注目・期待いただきたいです。
宮本:データマーケティングの基盤作りという意味で、やはりCAPIは非常に重要なものであると思っています。このCAPIを実装した上での話になりますが、「ビジネスにおける本当のCVに対する最適化」は、企業で広告運用に従事されている皆さんが常に課題であり理想とされているところだと思います。CAPIのメリットを活かした機能の1つがこのPCOになります。現在はローンチ前のため限定的に提供している機能にはなるものの、近い将来にはこれらを活用して広告成果の最大化を一緒に目指していければと思っています。