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ソーシャルリスニング2.0 - TwitterからはじめるSNSのデータ活用

無料のツールでも示唆が得られるコツ 今日から試せるUGCの定量/定性分析手法

定性分析の目的と活用できるツール

 定性分析は、UGCの内容を深堀りする手法です。「なぜこのUGCが生まれたのか」「誰がどんな文脈で投稿しているのか」「ユーザーに自社製品が受け入れられやすい文脈は何か」など、UGCの背景を探ることで示唆を得ることを目的とした分析といえます。

 また、定量分析のパートでも解説していますが、数値データの内訳を解き明かすことも定性分析の大きな役割です。

 定量分析と同じく、まずは活用できるツールを参照できるデータとともに紹介します。

Twitterの「高度な検索」

 Twitterには「高度な検索」という機能があります。単純なキーワード検索だけではなく、様々な絞り込みをともなった検索ができるため、事前に立てた仮説を検証しやすいメリットがあります。ブラウザでの検索を推奨します。

Twitterの「高度な検索」機能の画面を要素に沿って大まかに分割した図。仮説や目的に応じて臨機応変に使い分けられるため、定性分析の助けとなる

 高度な検索では、次のような絞り込みや分析ができます(上図に示した番号ごとに解説)。

  1. 「キーワード」による絞り込み:自社製品の名称など、特定の商品や話題を分析できる。さらに複数のキーワード設定によって、「製品名+文脈」といった絞り込みが可能。
  2. 「アカウント」による絞り込み:ベンチマークの競合アカウントや、特定のインフルエンサーからの投稿を分析できる。
  3. 「フィルター」による絞り込み:「返信」や「リンク」など、会話や企業のリンク遷移を除いて分析できる。
  4. 「エンゲージメント」による絞り込み:一定数の反応を獲得した投稿(いわゆるバズツイート)を絞り込んで分析できる。
  5. 「日付」による絞り込み:期間を絞り込むことができる。今年と去年のUGCを比較して分析できる。特定のモーメント分析に向く。
  6. その他「コマンド」による絞り込み:プラットフォーム上には出てこないが、絞り込みができるコマンドが存在する(下記はその一部)。
  • filter:images」画像付きツイート
  • filter:verified」認証アカウント(公式アカウント)
  • card_name:unified_card」広告メニューのカードを活用したツイート

 1〜5の絞り込みも、検索後の入力欄にコマンド化された状態で表示されます。このようなコマンドは他にもたくさんありますので、検索してみてください。

 これら、1〜6までの絞り込み検索を組み合わせることで、定性分析の精度を上げることができます。Twitterの公式サイト内にある「Twitterヘルプセンター」にも有益な情報が載っているため、よろしければ参考にしてください。

 また、ホットリンクが運営するオウンドメディアの記事でも「高度な検索」機能に関して詳細に解説しています。こちらも参考になれば幸いです。

定性分析では「仮説」から判断基準を作る

 Twitterの高度な検索を使って実際に分析を行う際には、次の2点に注意すべきです。

事前に分析の目的を設定し、仮説を立てておく

 言い換えると「判断の基準を設けておく」ということです。

 仮説がない状態でただUGCを眺めるだけでは、有益な判断は下せません。仮説をベースとした判断基準を設けるだけで、分析の結果と効率性は、大きく変わります

 たとえば、自社製品のUGCの内容を分析するとき、事前に「自社製品はデザイン性を評価されているのではないか」という仮説を立てます。実際にUGCを分析するとき、判断基準を設けることで「基準に達している」「基準に達していない」という行動を起こすことができ、工数の削減につながります。

新しいアイデアは見つかりにくい

 定性分析では、「想像できないような新しいアイデアは見つかりにくい」点に要注意です。

 「目新しい発見」を追い求め、ぼんやりとUGC全体を見ているだけでは、膨大な時間がかかってしまいます。結果的に、意図するような「目新しい発見」を得ることが難しいことも、理解しておく必要があります

 データから目新しい発見を求める手法の代表例としては「データマイニング」が挙げられます。一般的には、大量のデータから人工知能などを用いて、有用な情報、従来自明ではない情報を抽出する分析手法を指します。

 そのデータマイニングの中でも、Twitter上のUGCのような文章を読み込む分析は「テキストマイニング」と呼ばれる手法です。余談ですが、日本語のテキストは英語など他の言語と比較して、データとして処理する際の難易度が特に高いといわれています。

 時間が確保できるのであれば、まずは目検してUGCの全体像を把握することを推奨します。

次のページ
Twitterの高度な検索を用いた三つの実用例

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この記事の著者

辻 元気(ツジ ゲンキ)

株式会社ホットリンクのデータアナリスト。2018年に入社し、ソーシャルリスニングツールのセールス・カスタマーサクセスに従事。現在はSNSの分析を強みに、大手企業アカウントのコンサルティングを複数社経験。ホットリンク社内の分析スキル向上も推進。分析のなかでも、エンタメ業界のトレンド分析が得意。音楽やアニメなど、エンタメ業界に関する社外向けの業界調査リリースなども行う。

Twitter:@Genkitsuji01

株式会社ホットリンク

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/24 09:00 https://markezine.jp/article/detail/40575

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