ママ層をターゲットにする中で出てきた2つの課題
──最初にエコバックス様が「ママノワ」でタイアップを実施した背景を教えてください。
水田:今回、「ママノワ」を活用させていただいた背景にはDEEBOT X1 OMNIと、DEEBOT T10 PLUSという新商品の発売がありました。この2つのモデルは、吸引と水拭き掃除が同時にできる、障害物回避機能が高いという特徴を持っています。
この商品を販売するにあたり事前に市場調査を実施したところ、お子さんがいらっしゃる共働き世帯やペット・犬・猫を飼われている方々のニーズと新商品の特徴が合致することがわかったので、これらの方々への発信を強化しようと考えました。
──「ママノワ」はお子さんがいらっしゃる共働き世帯に情報を届けるために活用したのだと思いますが、なぜ「ママノワ」を選んだのでしょうか。
水田:共働き世帯にアプローチするにあたって課題となっていた「価格への納得感」「ママ向けメディアへの発信力」の2つをともに解決できるのが「ママノワ」だったためです。
今回の新商品は10万円以上と家電の中でも比較的高価なものになっています。ママの多くは「お子様のため」にお金や時間を使うので、10万円以上する高単価商品だと「購入することでどのようなメリットがあるのか」が伝わらないとなかなか購入には至りません。
そして、弊社は元々ガジェット関連のメディアなど比較的男性の多く集まるメディアでの発信には強かったものの、ママが普段情報収集するようなメディアとのお付き合いがなく、ママへの発信力に課題を感じておりました。
その中で、「ママノワ」は20万人を超えるママ会員を抱えており、発信力は申し分ないと考えました。加えて、ママノワのタイアップは体験動画や口コミといった一般ユーザーが生成したコンテンツを発生させるものとなっています。ママはメーカーからの発信だけでは響きにくく、第三者の信ぴょう性のある口コミやレビューに共感しやすいことがわかっていたので、「ママノワ」で施策を行うのがベストだと考えました。
ママ向けプロモーションの鍵は、同じ立場からの声
──続いてマインドシェアの内野さんにお聞きしますが、今回のエコバックス様のようにママへの認知向上や販売促進を目的とした場合、どのような点に気を付けて支援を行っていますか。
内野:今回のエコバックス様のような家電製品の場合、ママが購入するブランドや商品の決定権を持っているケースが多いです。そして、水田様もおっしゃっていたように、ママにとって第三者の口コミや体験は重要な情報源となっています。
そのため、我々は体験動画や口コミを創出しながら、ママ層にリーチできる広告商品を展開しています。また、体験動画や口コミも共感してもらえるよう、フォロワーの多いインフルエンサーではなく、より自分たちと近い感性を持つママ層に投稿してもらえるような座組を作っています。具体的には、ターゲットのママと家族構成や子年齢の近い方を選定することが可能です。
その他にも、お客様がママたちに「良いな」と思っていただける情報を発信し続ける体制を整えることを心がけています。
ママ層の体験動画・口コミの創出、リーチまでを可能にする方法とは?
──今回のエコバックスの事例では、実際にどういった取り組みが行われたのでしょうか?
内野:今回は「ママノワ」の体験動画・口コミ拡散プランを実施しました。こちらはママノワ会員から数十名にモニターとして商品を体験いただき、その様子を動画に撮ってInstagramに投稿いただくというプランです。
内野:そして、投稿の中からより共感を得られやすそうなものを弊社が厳選して記事化します。作成した記事は、ママの年齢や子月齢・子年齢でターゲティングできる広告配信ツール「MaMaReach」を活用して幅広いママにリーチしてきました。そして、事後の効果が評価できるようアンケート調査も実施しました。
さらに、これまで実施いただいた企業様にも大変ご好評いただいているのですが、ママたちが発信した体験動画や口コミは、企業様がプロモーションやSNSの投稿を行う際にコンテンツとして二次利用することが可能です。
──今回モニターの方が投稿したコンテンツを見てどのような感想を持ちましたか?
水田:モニターの方へ行ったアンケートでは、ほとんどの方が製品の性能に感動されていたのですが、それが投稿されるコンテンツにも反映されていました。強みである障害物回避や動作音の静かさに利点を感じていただける方が多くおり、それが伝わるコンテンツを投稿いただけていたのが、嬉しかったです。
──モニターの方にコンテンツを投稿する際の指示は行っているのでしょうか?
内野:リアルな声が反映されることが重要なため、投稿内容などに関する指示は行っていません。ただ、障害物回避機能などを伝えるには動きがあったほうがいいと思ったので、投稿時には必ず商品の動作がわかる動画を挿入していただくようお願いしていました。また、その動画はInstagramのストーリーズへの投稿もお願いし、投稿に商品サイトのURLを付けていただくことで、導線を増やすよう心がけました。
Instagram公式アカウントの約半月分のクリック数が今回の施策で発生
──施策によって得られた成果を教えてください。
水田:施策にあたって、ママにはInstagramに投稿する際、パラメーター付きのユニークURLを用いていただき、ECストアへのアクセスを計測いたしました。すると、弊社のInstagram公式アカウントが1ヵ月で獲得するアクセス数の50%を、たった一回の施策で獲得できていたんです。認知の拡大、商品理解の促進には十分つながったと感じています。
内野:今回の施策のポイントは、体験動画を通して「いかに自分ごととして捉えていただくか?」という点でした。そのため、モニターのママを選定する際は、単にフォロワー数の多さだけでなく、日々の投稿の様子やフォロワーさんの性質なども見させていただいていたんです。そういった点が今回の結果につながったと考えています。
水田:また、今回の施策で生成したコンテンツは、SNSやWebサイト、プレスリリースにも活用させていただきました。また、家電量販店のPOPや商談などのリアルの場でも活用しています。
ママたちが生成したコンテンツ起点のプロモーションで得られた気づき・学びとは?
──今回の施策を通して得られた気づきや学びがあれば教えてください。
水田:ママの口コミを通して、想定していなかった使い方がわかったことが大きな学びでした。
たとえば、今回プロモーションを行ったDEEBOT X1 OMNIでは、声をかけるだけで掃除を開始する機能が備わっているのですが、今回メインで押し出している機能ではありませんでした。しかし、ママの口コミを見てみると「手が使えない時にとっさに掃除ができた」「子どもでも声をかければお掃除ができるので、楽しめた」といったポジティブな感想があり、我々が想定していなかった訴求のヒントが得られました。
──内野さんはいかがでしょうか?
内野:今回の投稿には、モニターのフォロワーからコメントをはじめとした様々なエンゲージメントが発生していました。内容を見てみると、スペックに関しての質問が多く、この点からも購入検討のきっかけとなれたのではないかなと思っています。
企業からの一方的な発信ではなく、モニターを通した連鎖的で広がりのあるコミュニケーションを生み出せたのは、今後の支援を行う上で良い学びになりました。
ロボット掃除機の第一想起を目指す
──最後に今後の展望についてお聞かせください。
水田:弊社が日本に上陸してから8年が経過していますが、まだまだ日本国内でのブランド認知は低い状況にあります。一方で営業利益の半分を研究開発に回しており、近年では技術的な面で賞をいただくこともあり、製品への信頼性は、自信を持って誇れる部分だと思っています。
今後も「ママノワ」の広告商品などを活用しながら、その製品の信頼性が伝わるようにしたいです。やがてはロボット掃除機の購入選定の際に一つとして想起いただけるよう、ブランド認知、製品理解に努めていきたいと思っています。
──内野さんはいかがでしょうか?
内野:今回エコバックスジャパン様に実施いただいた体験動画・口コミ拡散プランは、これまでもメーカーや教育、教材、不動産、レジャー施設、ホテル、アプリサービスなど、様々な業種の企業様にご活用いただいています。
今後は、さらに良質で大量の体験動画・口コミを生成できるよう新たにローンチしたサービスなどを用いて、プロモーションやブランディングの支援をしていければと考えております。
また、「ママノワ」の会員数は現在約20万人ですが、今後50万人、100万人へと伸ばしていきたいです。そして、より良いコンテンツを提供できる、ママの声を軸にした唯一無二のメディアに育てていきたいと考えています。
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