顧客とより良い関係を築くため、LINE施策を強化
──キタムラの事業内容と、山内さんの現在の業務内容についてうかがえますか。
キタムラでは「カメラのキタムラ」や「スタジオマリオ」などの実店舗やECサイトを展開しています。主な事業内容はカメラの販売や写真のプリントサービス、フォトブックの販売です。最近ではカメラや時計、スマートフォンの買い取りなど、リユース事業にも力を入れ始めています。
私はLINEを使ったサービスの運用・管理から新規サービスの開発を担当しています。当社の場合、広告費を支払って友だちの数を増やすのではなく、カメラのキタムラの店舗スタッフに協力していただき友だち登録を促進しています。そのため、LINEを今後の販促に活用する意義を店舗スタッフへ啓蒙することも業務の一つです。
──キタムラでは2017年よりマーケティングにLINEを活用していらっしゃいますが、なぜLINEに着目されたのでしょうか。
2017年以前のデジタルマーケティングの主な接点はメルマガでした。しかし「お客様が今後もより良く当社とつながっていくには、お客様にとってより身近なコミュニケーションツールを活用すべき」と考えたところ、LINEに行き着いたのです。
顧客体験を劇的に向上した「写真のお部屋」
──キタムラは、実店舗やECサイト、自社アプリなど様々な顧客とのタッチポイントをお持ちですが、その中でもLINEはどのような位置づけなのでしょうか?
LINEはオフライン接客のアシストツールという位置づけです。たとえば、カメラのキタムラの店舗にいらっしゃったお客様に対し、退店された後も引き続きコミュニケーションをとり続けるにはデジタルツールが欠かせません。そこで、店舗においてお客様に友だち登録していただき、退店後にLINEでアプローチしています。具体的には、再来店いただけるようお客様のご利用状況に合わせた商品・キャンペーン情報を送ったり、ご来店時にご利用いただけるクーポンを配信していたりします。
また、LINE活用施策のうち、特に成果を上げられているのが「写真のお部屋」です。公式アカウントのメニューから「写真のお部屋」をタップすると、サイズを選択する画面が表示されます。サイズ選択後にプリントしたい画像をトーク画面に送信すれば、注文は完了。写真ができあがるとLINEに通知が届き、来店して写真を受け取る流れです。
従来は、USBなどに写真データを移した上で店舗に足を運んでいただく必要がありましたが、注文ボットによってそうした手間を省くことができています。お客様からも「スマートフォンの中にある写真を選ぶだけで良いので非常に便利」などの声を頂戴しています。また、LINEの注文ボットではLINE上でプロセスが完結するため、UI/UXの改善にもつながったと思います。