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コロナ禍で変わったこと・変わらないこと

顧客起点・データドリブン・アウトカムフォーカスを貫く 日本IBMのCMO・風口さん

オンラインでいかに「WOW」を生み出すか

鈴木:時間と同じくらいコンテンツのクオリティを上げることも大切ではないでしょうか。コロナ禍以前は人を集めて名刺をもらい、そこからナーチャリングしていく“型”がありました。しかしオンラインが当たり前になった今、単純に情報が共有されるだけのイベントなら「わざわざ行く必要がないよね」と思われてしまいます。

風口:確かに、従来のオンサイトイベントの延長線上でオンラインイベントを開催していては、必要な人に必要な情報を届けることが難しくなっていますね。

鈴木:コンテンツのクオリティを上げる手段の一つに「XR」があります。XR技術によって、あたかもカンファレンスホールにいるような体験の提供はもちろん、ウユニ湖やグランドキャニオンを背景に講演することも技術的には可能です。オフラインでは参加者が「WOW」と感じる体験を提供しやすい一方、オンラインではなかなか難しいもの。そんなオンラインでサプライズを生むためのキーがXRだと考えています。

風口:ALPHABOATさんの「XR STUDIO」をプロトタイプ段階で体験させていただきましたが、そのテクノロジーに驚きました。

鈴木:XRは「サステナビリティ」や「SDGs」といったキーワードにもコミットできます。オンサイトで大規模なカンファレンスを開催しようとすると、様々な資材が必要になる上、イベントが終了すれば不要になってしまうものも多いのではないでしょうか。XRの場合はそうした資材の削減にも貢献可能です。

風口:脱炭素や廃棄物削減への取り組みは、当社でも非常に力を入れているところです。SDGsの波が日本にも押し寄せる中、コンテンツや体験のクオリティ向上とサステナブルの両立を実現できるXRの存在は大きいですよね。

コロナ禍以降も変わらない3つの指針

鈴木:続いて、コロナ禍を経ても変わらないことをお聞きしたいです。

風口:当社のマーケティングチームが掲げている3つの行動指針は、コロナ禍に入っても変わっていません。一つ目は「顧客起点(クライアントファースト)」。お客様視点で物事が考えられているか、常に確認しています。そして次に「データに基づいて動く(データドリブン)」。きちんと証明できるデータの裏付けがあるか、データに基づいて設計がされているかを点検します。最後は「結果に徹底的にこだわる(アウトカムフォーカス)」です。最も厳しい指針ですが、結果が出ないものには意味がないため、パフォーマンスは重視しています。

鈴木:一つ目のクライアントファーストはBtoB/BtoC関係を問わず、ずっと変わらないプリンシプルと言えますね。ただ「実行できているか」と問われると、できていない企業がほとんどではないでしょうか。一口に「お客様」といっても、自身の課題が何なのかわかっていない状態の顧客と、課題は認識していてもどんなサービスが必要なのかわからない顧客、あるいは課題も必要なサービスもわかっていて探している顧客に対するコミュニケーションが同じで良いはずはありません。

 そのお客様がどのような状態にあるかは、オフラインのデータまで統合しないとわからないと思います。加えて、対面の商談でお客様とノンバーバルコミュニケーションをとっている営業担当者からの情報も必要です。デジタルに閉じようとするマーケティングは正解とは言えない気がします。

風口:営業担当者の存在なくして、額の大きい製品やサービスをお客様に購入していただくことはできません。そういう意味においてBtoBの場合は特に営業担当者の力が不可欠です。

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優先順位付けの徹底が鍵

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40762

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