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ソーシャルリスニング2.0 - TwitterからはじめるSNSのデータ活用

宝の持ち腐れにしないために ソーシャルリスニングツール導入前のチェックポイント

導入メリット(3)有料ツールでしかできない分析手法が多く、得られる示唆が増える

 有料ツールではAIによる多種多様な分析ができるため、無料ツールと比べて、得られる示唆が格段に増えます。次に挙げるのは、有料ツールでしかできない分析手法の代表例です。

1.比較分析

 複数の分析対象を並べて比較できます。

【キーワードによる比較】

 たとえば、自社製品と競合の製品を並べて比較できます。UGCの量や盛り上がりのタイミングなどを比較することで、自社製品の強みや弱みを把握し、マーケティング戦略に活用できます。

キーワードによる比較
【クリックすると拡大します】
「絹ごし」と「木綿」のツイート数の比較 分析期間:2021年11月1日〜2022年10月31日
※数字は10%サンプリング

▼得られた示唆

  • 年間を通じて木綿豆腐のツイートの方が多い
  • どちらも突出してツイートが多い時期はなく、一年を通じてあまり変動がない

【期間による比較】

 分析の期間を設定し、比較できます。自社製品に対するUGC量の前年比や、広告展開前と後の効果検証などに活用できます

期間による比較
【クリックすると拡大します】
期間A(2021年11月〜2022年10月)と期間B(2020年11月〜2021年10月)における「オートミール」を含むツイート数の比較
※数字は10%サンプリング

▼得られた示唆

  • 期間Aの方がツイート数が多く、「オートミール」の知名度が上がってきている可能性がある
  • 2021年1月ごろからツイート数が増え始めており、この時期に「オートミール」に関する何かしらの動きがあった可能性がある

2.テキストマイニングによる分析

 自社製品と一緒によく使われるキーワードを、AIによって特定できます。自社アカウントの投稿内容を検討する際などに便利です。このようなAIの活用は無料ツールの分析ではできないことが多く、有料ツールならではのアドバンテージです。

テキストマイニング
【クリックすると拡大します】
「絹ごし」「木綿」のそれぞれと一緒にツイートされるキーワードをテキストマイニングでリスト化したもの。左上が最も頻出するキーワード。右下に向かうに従って少なくなる

▼得られた示唆

  • 頻出キーワード「ダイエット」は、木綿豆腐の方が上位に表示されており、ダイエット関連情報とともにツイートされる可能性がある

3.分類による分析

 キーワードを絞り込んだ「ルール」を任意に作成し、UGCを振り分けます。たとえば、キーワードに「おすすめ」が含まれる場合、UGCの分類にあたって「推奨」などのルールを作ることができます。これにより、自社製品の興味関心の度合いを計ったり、製品の利用シーンのUGCを分析したりすることができます。

分類
【クリックすると拡大します】
とあるコスメブランド名を含むツイートを、同社が展開する商材ごとに分類した場合のグラフ

▼得られた示唆

  • このブランドは「パフューム」の商材での認知が最も多いことがわかる

4.分析手法を組み合わせる

 ここまで紹介してきた多様な分析手法を組み合わせることで、より高度にUGC分析を行うことができます。たとえば、「期間による比較」と「分類」を組み合わせた分析がこちらです。

組み合わせ例
【クリックすると拡大します】
フィンランド発祥のスポーツ「モルック」を含む過去3年間のツイートを、興味関心に関連するキーワードで分類した場合のグラフ。
分析期間:左から2021年11月~2022年10月、2020年11月~2021年10月、2019年11月~2020年10月
※数字は10%サンプリング

▼ファクト

  • 2020年ごろからUGC数自体が増えており、世間的に認知されてきている
  • 2021年と2022年のUGC数の変化はあまりない
  • 直近では「興味関心」の割合が減り、「推奨」の割合が増えてきている

▼得られた示唆

  • 「推奨」の割合が増えつつあるため、好感度は高まってきている
  • 現状のTwitter上では、モルックに関するUGC数が頭打ちになりつつあるため、話題化を促進するには何かしらの施策が必要(さらに別角度が要る)

次のページ
有料ツールの導入には「目的の明確化」が不可欠

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この記事の著者

辻 元気(ツジ ゲンキ)

株式会社ホットリンクのデータアナリスト。2018年に入社し、ソーシャルリスニングツールのセールス・カスタマーサクセスに従事。現在はSNSの分析を強みに、大手企業アカウントのコンサルティングを複数社経験。ホットリンク社内の分析スキル向上も推進。分析のなかでも、エンタメ業界のトレンド分析が得意。音楽やアニメなど、エンタメ業界に関する社外向けの業界調査リリースなども行う。

Twitter:@Genkitsuji01

株式会社ホットリンク

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/01/30 09:00 https://markezine.jp/article/detail/41025

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