記事ごとの目的を明確に。結果の振り返りも欠かさない
──オウンドメディアという立場上、主幹事業への貢献度をどう測るかも重要な視点かと思います。Lideaというメディアを運営していく上で、KPIはどのように設定していますか?
現在はインプレッション数がKPIの一つです。「お客様の生活に寄り添う」「データ収集」というLideaにある二つの目的のうち、私が主に担当している前者では信頼できる情報を正しく伝えることが大切です。

メディア全体のKPIを達成するために、コンテンツそれぞれにもターゲット、制作目的、KPIを設定しています。たとえば「制作目的」としては、既存会員のアクション数を上げる、潜在会員の流入、商品の認知向上、商品をより理解してもらう、ライオンのファンを作る、Lideaのファンを作るなどがあり、これを記事ごとに設定しています。制作時は編集部全員で目的等を確認し、公開後の結果の振り返りで反省点を探し、次の制作に活かしています。
──これまでの具体的な成果についても教えていただけますか?
具体的な数字はお伝えできないのですが、たとえば記事の純粋なPV数は直近2年で2倍程度に増えています。これにキャンペーンや特設コンテンツ、さらにSNSなどの数値を加えると、インプレッション数は直実に伸びていることがわかっています。
社内理解を促進させた「制作フローの改善」と「販促への活用事例」
──Lideaがスタートして約9年になります。これまで社内外からどのような反応があったのかお聞かせください。
これまでの9年間はいくつかのフェーズに分かれており、それぞれのステージで周りの反応も異なります。
最初の5年は、お客様のニーズに応えるための記事、社内のハウツーを記事化するというフェーズで、まずは記事を多く作ることをメインに活動しました。売り上げに直結する活動ではないことから、当時は「何のためにやっているの?」と疑問の声もありました。その時は、理由を説明するのに苦労をしましたね。
Lideaの目的である「お客様の生活に寄り添う」ためには、信頼性があり一貫性のあるメッセージを打ち出したい。情報に責任を持って記事を作成して公開するためには、社内の各担当部署の協力が必要です。社内の皆様のおかげで成り立っていることを意識してもらうため、社内承認、研究所や開発部に承認を得ることをコンテンツの制作フローに取り入れました。また、それ以外のインナーマーケティングにも注力していました。
そうするうちに、営業担当の販促活動にLideaのデータ分析が役に立ったケースや、Lideaの記事を店頭販促に使うことなどが増えてきて、社内のLideaへの理解が広がっていきました。
その次の2年はステップアップのための改革を準備するフェーズでした。運営体制、サイトデザインなどを大きく変更し、より生活者とつながるための準備を進めました。そしてこの直近2年ではポイントプログラムをスタートさせ、定着させることに注力してきました。

現在では、社内外の方に賞賛の声をいただくことも多く、続けることの大切さを実感しています。
社外の反応としては、会員の皆様が記事にコメントを書き込み、マイスターが返信するというコミュニケーションが増えてきています。また、ポイント獲得が目的となる場合、会員の方からのコメントがごく端的になることは当然あると思いますが、そういった方々が編集部やマイスターとの交流を通じて次第に具体的なご質問やご感想をくださるようになってくることも。こうしたことから、Lideaに興味を持っていただいたり、好意を寄せてくださる方が増えていると感じます。