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今こそ縦型動画の活用を!ソフトバンクとFireworkが実現する、新時代のユーザー体験

 近年トレンドとなっている縦型フォーマットの動画は、デジタルマーケティングにおいても企業から注目を集めている。しかし、自社サイトに縦型動画を実際に取り入れ活用できている企業は、まだ多いとはいえないのが現状だ。動画マーケティングを取り巻く課題とソリューションについて、Firework カントリーマネージャーの瀧澤氏とソフトバンクの河西氏に伺った。

縦型動画がトレンドに

MarkeZine編集部(以下、MZ):本日は、動画DXプラットフォーム「Firework(ファイヤーワーク)」のカントリーマネージャー 瀧澤様と、ソフトバンクでデジタルマーケティング支援をされている河西様にお話を伺ってまいります。まず、現在の動画マーケティングにおけるトレンドをどのように見ていらっしゃいますか?

瀧澤:私は今米国本社におりますので、日米両方のトレンドをお伝えしたいと思います。まず共通点は、SNSの動画コミュニケーションが当たり前になっていること。多くの方がSNSを使って情報を取得しており、利用時間もどんどん伸びています。

 またSNSのフォーマットは大きく変化しています。たとえばTwitterから始まったテキストをシェアする形式は、FacebookやInstagramによって写真の投稿へと変わりました。フォーマットの変化にあわせてユーザーのニーズも変化しており、今のトレンドは縦型動画ですね。TikTokに代表される、短いスパンで動画をスワイプしながらどんどん情報を取り入れていくユーザーが多くなっています。

Loop Now Technologies株式会社 執行役員/Country Manager Japan 瀧澤 優作氏
Loop Now Technologies株式会社 執行役員/Country Manager Japan 瀧澤 優作氏
動画DXプラットフォーム「Firework」のカントリーマネージャー。Fireworkを日本のお客様に満足度高く使っていただくことをミッションに掲げている。Fireworkは本社を米国・シリコンバレーに置く、6年前に創業されたスタートアップ企業であり、瀧澤は7人目のメンバーとして創業時から参画。日本事業には2021年春の立ち上げから携わっている。

瀧澤:一方、日米で異なる点はビジネスにおける動画活用への取り組み具合です。米国は、縦型動画へのリソースの投下が非常に高いと感じます。日本は動画を作る社内リソースやノウハウが十分でないことが多いようです。

 より多くの情報を伝えることができる動画を、ユーザーがスマートフォンで日々慣れ親しんでいる縦型フォーマットを通じて企業のオウンドメディアや各ブランド・メーカーの自社サイトやアプリで活用することで、より優れた顧客体験を提供できる可能性があると考えています。

MZ:河西様にお伺いします。近年はデジタルマーケティングで、どのような相談が多いと感じますか?

河西:様々な種類の悩みがあるのですが、デジタルマーケティング部門とセールス・販売部門が連携できておらず、デジタルマーケティング上での貢献度合いが可視化できないというご相談があります。たとえば、デジタル施策の実店舗への来店効果が不明瞭であったり、実店舗の販売スタッフたちの知見や経験といったノウハウをマーケティング活動に活かせていないなどです。

 他にも、生活者ニーズの多様化によりこれまでの一方通行の広告表現からコミュニティ形成を通じた顧客体験の創出にシフトしようとしているクライアントから、スタッフと顧客が同じ場でコミュニケーションできるような顧客体験を創れないかという声もありますね。

ソフトバンク株式会社 法人事業統括デジタルマーケティング本部アカウント統括部ストラテジックプランニング部 課長 河西 正雄氏

ソフトバンク株式会社 法人事業統括デジタルマーケティング本部アカウント統括部
ストラテジックプランニング部 課長 河西 正雄氏

ソフトバンクでデジタルマーケティングのプランナーとして、クライアントの商品開発や認知、購買などマーケティング活動全般をサポート。キャリアとしてもプランナーの経験が長く、現在はYahoo!やLINEなどのビッグデータ活用、Treasure Dataなどのデータ基盤、そしてFireworkやメタバースなどのテクノロジーを組み合わせた複合的なプランニングを担当している。

「Firework」でユーザーにスムーズな購買体験を提供

MZ:Fireworkのサービスについて教えてください。

瀧澤:Fireworkは縦型ショート動画やライブコマース、動画編集ツールを一気通貫で提供する動画DXプラットフォームです。縦型動画やライブコマース機能を自社サイトやアプリにノーコードで実装することが可能で、すべての顧客接点とその体験をアップデートします。

 また「FW Studio」という弊社の動画編集ツールを利用することで、動画の編集だけでなく静止画像を組み合わせて動画を制作することが可能です。豊富なテンプレートがあるので、画像や文字を変えるだけで簡単に縦型動画が制作できます。サイト上では、動画をスワイプしてそのまま購入や予約ができるため、商品の認知から決済までスムーズな体験をお客様に提供できます。

 ライブコマース機能では、Fireworkカメラアプリを通じてライブ配信の撮影から管理、配信までを一括で実行することが可能です。ライブ参加者とのコメントを通じたやりとりなど、インタラクティブなコミュニケーションの中でお客様にブランドへの理解を深めていただけます。

 またSNS同時配信機能(サイマル配信)により、自社サイトだけでなくSNS(Instagram・TikTok・YouTube・LINE・Twitter・Facebook)でも同じコンテンツを同時配信できます。これにより視聴者のリーチを増やすことができます。

リアル店舗の顧客体験をオンラインでも実現

MZ:Fireworkの豊富な機能によって何が実現できるのでしょうか?

瀧澤:私たちは、Fireworkで店舗とオンラインを相互補完し、相乗効果を生み出すことができると考えています。店舗では1対1の接客が基本なため、対応できるお客様の数も限られます。一方で新しい商品との偶然の出会いや、店舗スタッフとの会話の中でロイヤルティが生まれるなどの強みが店舗にはあります。これは、写真と文字だけのWebサイトではなかなか実現できない体験です。

 Fireworkを活用し動画やライブ配信を自社サイトに展開することで、よりリアルな情報や店舗での購買体験をオンラインでも提供できます。またオンラインで展開する動画アセットをQRやサイネージを通じて店舗で利用することで、お客様は店舗で動画を通じた詳細な情報を入手できるため、店舗での接客支援にも役立てることができます。

※Fireworkイメージ画像(https://jp.firework.com/product/live-commerceより)

河西:先ほど申し上げた、実店舗の販売スタッフたちの知見や経験といったノウハウをマーケティングに活かしていきたいといった悩みに対し、Fireworkでトップセールスを誇る販売員の方の動画を作成し、自社サイトや店舗に流す施策を行いました。

 その結果、販売員の知見や経験といったノウハウをデジタルマーケティングに活かせるだけでなく、売り上げアップにつながるなど、Fireworkでデジタルマーケティングの課題を解消することができました。加えてこういった動画は、他の販売員へのスキルトランスファーとしても機能しました。

視聴データと自社データの連携で顧客理解を深める

MZ:Fireworkを活用するメリットについて伺えますか。

瀧澤:商品の認知から比較検討、購買までスムーズに進んでいただけることです。また欲しい商品を検索して買う“単品買い”にとどまらず、ページを行き来して複数の商品購入へと簡単に進めます。

 さらにライブ配信では、コメントで寄せられる質問に対してスタッフがリアルタイムで回答。これによりユーザーはまるで店舗で店員に相談しているかのような体験を得ることができます。ライブ配信中に商品をクリックすると、裏側で商品の詳細ページに遷移できます。ライブも引き続き視聴している状態なので、違う商品の紹介やその詳細ページを行ったり来たりすることも可能です。

MZ: Fireworkならではの強みについて教えてください。

瀧澤:自社サイト・自社アプリを基軸に考えていることにあります。これまではYouTubeやInstagramなど、それぞれのプラットフォーム上で施策を考えることが多かったと思います。しかしこの考え方の課題は、プラットフォーマーが方針やルールを変えた瞬間にそれまで積み重ねてきたアセットやフォロワーがほぼなくなってしまう可能性があることです。

 ですから私たちは、メインに置くべきは自社サイトや自社アプリだと考えます。自社アセットを中心に据えることで顧客体験を自ら設計でき、すべてのデータを1stパーティデータとして取得できるメリットもあります。Fireworkを使うと、動画の視聴データと自社データおよびCRMとの連携が可能なので「誰が見たのか」「見た後にどんな行動をしたか」といったデータを確認し、より成果の高いマーケティング施策を実行することが可能です。

ソフトバンクとのシナジーで実現する高度なデータ活用

MZ:具体的にどのようなデータ活用が行えるのでしょうか?

瀧澤:Google Analyticsのほか、Treasure DataのCDPとの連携により、デジタルと店舗の購買データを統合した分析が可能になります。「最近ライブ配信は視聴したが、店舗での買い物をしていない顧客にクーポンを発行する」「6ヵ月間、同じものしか買っていない顧客に新商品を紹介するライブ配信をする」など、特定のユーザーに対してメッセージを最適なタイミングで届けることができます。

河西:さらにソフトバンクがデータ領域で連携することで、より効果的なマーケティング施策が行えます。Yahoo!は8,400万人、LINEは9,400万人(2023年2月時点)の会員がいるなど、ソフトバンクグループは国内最大規模のデータプラットフォームをもっています。Yahoo!やLINEもTreasure DataとAPIの連携をしているため、グループリソースを通じたアクションが可能です。

 たとえば、以下のような形でソフトバンクグループが持つアセットを活用し、施策のPDCAを回していきます。

  • Yahoo!やLINEで広告を配信し、自社のサイトやECサイトにユーザー集客
  • 受け皿である自社サイトやECサイトでFireworkを活用し、集めたユーザーのエンゲージメントや売り上げを向上
  • データをすべてTreasure Dataに集めデータを統合・分析することで、リターゲティングなどの新たな施策に活用

 また、ソフトバンクのデータ分析とFireworkのコンテンツ力の掛け合わせにより、強いシナジーを生み出せます。当社がもつYahoo!やLINEのユーザーデータなどの分析結果をもとに、Fireworkのコンテンツチームが作成したクリエイティブコンテンツを提案することもできます。

MZ:具体的にどのような企業がFireworkを導入しているのでしょうか?

瀧澤:アパレルやコスメ、ビューティー、家電、ライフスタイル、通信系まで様々です。たとえばアパレル事業を展開されるアーバンリサーチ様は、Fireworkを活用し公式オンラインショップ上でライブ配信を高頻度で行われています。

 配信では、リアル店舗のスタッフが着用感やスタイリング例などを交えて商品を紹介。ターゲット層のお客様に利用シーンを想起させるテーマでライブ配信を行うことで、共感を高め、購入の促進を図るとともに、エンゲージメント向上にもつなげています。

※星印=Fireworkを活用できるポイント(クリックして拡大)

瀧澤:またワイモバイル様やラインモ様は、サイト内のQ&Aにショート動画を活用されています。言葉では伝わりにくいサービスの特徴やメリット、手続きや設定方法を動画で案内することで、自社サービスの魅力を伝え、利用者の利便性も高めています。

目指すのは、すべての顧客体験のアップデート

MZ:最後に、今後の展望についてお聞かせください。

瀧澤:Fireworkが目指すのは、オンライン・オフライン問わずコマース全体を通じてあらゆる顧客接点と顧客体験をアップデートしていくことです。近く実現予定の動画版チャットボットによる1対1の接客など、多様なお客様のニーズを先取りした革新的な機能を今後も継続的に提供してまいります。

 コンテンツ面でも、チームの強化を進めるとともにナレッジを活かしながら、動画戦略の立案や内製化の部分までサポートしていきたいと考えています。

河西:ソフトバンクはグループの持つLINE・Yahoo!・PayPayといったあらゆる顧客接点とTreasureDataなどのデータ基盤を活用し、Fireworkとの連携を進めることで、顧客体験の創出やデータ活用、コンテンツ作成も含めた包括的なエコシステムの強化に取り組んでまいります。

 加えて冒頭でも触れたように、昨今は価値観(生活者ニーズ)の多様化により従来の一方通行の広告表現だけではユーザーへの訴求が難しくなってきました。今後はメタバースとの掛け合わせなど、当社だけではできないようなアプローチをFireworkとともに挑戦していきたいです。

本記事で載せきれなかった、Fireworkの効果と活用方法についてセミナーでご紹介!

ソフトバンクが「縦型動画は企業が配信する時代、スタッフヒーロー化で新たな顧客体験」と題したセミナーのオンデマンド配信を実施中です。

活用事例などご興味がある方は是非ご視聴ください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/06/25 22:26 https://markezine.jp/article/detail/41388