Microsoft 広告、Pinterest アドから考える、検索のこれから
2つ目のテーマである検索について、有園氏は従来のSEOが効かなくなるという点を強調した。
「今後はコンテンツの質がますます重要になります。あるとき、“(AIに)真・善・美の判断はできるのか?”と聞くと、“難しい質問ですね。ただ、それは人間も、環境によって答えが変わると思います”と回答したんです。この回答内容からも、これまでの検索とは大きく変化していく兆しが見えますね」(有園氏)
成田氏は、Pinterestユーザーの検索動向について独自の特徴があると語った。
「現在のユーザーは、目的によって検索先を使い分けるのが自然になってきていると思います。Pinterestの場合は、アイデアを探しに来ている方が多い。上位検索の97%が、特定の固有名詞ではない自然言語のキーワードです。まだ何を買いたいか明確ではないけど、何を購入すべきかのヒントが欲しいというニーズを持たれて利用されています」(成田氏)
この、何を購入すべきかのヒントが欲しいというニーズから、Pinterestでは季節性のイベント関連の検索も多いかつ早いという。たとえば、母の日の場合、3月には母の日関連キーワードの検索ボリュームが増加し、3月中旬にはピークを迎えるという。一般的な動向から見ると、かなり先手を打って行動されるユーザーが多いのだ。
データ精度のMicrosoft、トレンド予測のPinterest
3つ目のトレンドインサイトについては、両者ともトレンド動向を把握しやすいプラットフォームであると紹介した。
「市場トレンドやユーザー動向、興味関心を調査する上でも、ユーザーの行動データが活きてきます。どのタイミングでどのような広告を出稿すれば成果を最大化できるかなどを、実際に検索されたキーワードなどのデータを基に検証できるので、有効なインサイトが得られやすいのです」(有園氏)
「Pinterestにはトレンドに敏感で、かつ世の中より早いタイミングで検索しはじめるユーザーが多い。そのため、検索動向を調査すると、次はどのようなトレンドが来るのかを推測しやすいんです。Pinterestでは毎年トレンド予測を発表していて、過去3年の間、発表した翌年のトレンド予測は、80%の確率で当たっています」(成田氏)
独自の強みを持って他社との差別化を図るMicrosoft 広告とPinterest アド。これまでの広告プラットフォームとは異なる特徴を持つ両媒体について、マーケターは媒体特性を理解した上で、活用するかどうか検討していくべきだろう。
最後、杉原氏は両プラットフォームの特徴を簡潔にまとめ、セッションを締めくくった。
「Microsoft 広告はAIやデータの豊富さ、広告掲載面のプロパティの多さを武器に勝負をかけていくでしょう。Pinterestは能動的に何かをやりたい・買いたい方をターゲットに、ファネル初期の段階でタッチできるユニークなプラットフォームだと思います。両社とも有益なインサイトを提供して広告主に寄与できるので、ぜひ活用を視野に入れておくと良いと思います」(杉原氏)