SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

再発掘される「店舗」の価値 次世代ビジネスモデルを追う

体験価値の“統一感”で新規顧客創出 「銀座・和光」が仕掛ける店舗とデジタルを横断したリブランディング


 銀座のランドマークとして知られる、時計塔のある建物「SEIKO HOUSE GINZA(セイコーハウス銀座)」に本店を構える和光。2022年には創業75年を迎え、リブランディングとして本店ビルのリニューアルやこれまでとコンセプトが異なる新店舗のオープンを行った。これらの施策を率いるマーケティング部・米原陸太氏に、店舗ビジネスを支援するMicoworksの大里紀雄氏がインタビューし、和光ならではの店舗体験とこれからの店舗ビジネスの在り方を探った。

デジタルマーケティングを強化し大胆な改革を行う「銀座・和光」

大里:本連載では、店舗ビジネスの有識者や新たな店舗ビジネスで注目される企業の方々をお招きし、これからの店舗ビジネスの在り方を紐解いていきます。まず、和光のマーケティング部について詳しく教えてください。

画像を説明するテキストなくても可
Micoworks株式会社 ビジネスマーケティング部 Director 大里 紀雄氏

米原:我々マーケティング部は和光が創業75年を迎えた2022年に、リブランディングを行うに際して「広報宣伝部」を改称して創設されました。親会社であるセイコーグループと連携しながら、継続的なブランドの発展に向けて、マーケティング視点での戦略展開を行っています。

画像を説明するテキストなくても可
株式会社和光 マーケティング部 マーケティング・広報宣伝 デピュティマネージャー 米原 陸太氏

米原:現在は特に、デジタルマーケティングを強化しており、SNS広告の出稿やメディアとのタイアップ、駅のデジタルサイネージでのプロモーションなども行っています。

大里:和光と言えば、多くの人が高級専門店として由緒正しいイメージを持っていると思います。故に、従来のプロモーション方法を継続してイメージを守ることに重点を置いていると思っていましたが、改革を大胆に進めていることに驚きました。

米原:和光は1947年の創業以来、長年多くのお客様からご愛顧いただいていますが、一方でその歴史の長さからか「入りにくい」「緊張する」といった声もうかがっていました。あらゆる世代の方からブランドを支持していただくためにも、デジタルマーケティングの強化を含め、和光自体も変化していきたいといった想いが現在のマーケティング推進の根底にあります。

新規のお客様が入りやすい新たな店舗づくり

大里:デジタルでの顧客接点改革を進める一方、和光では2022年、新しいコンセプトの店舗を続々とオープンさせるなどといった店舗起点の顧客接点改革を積極的に進めています。

 一般的にはECの普及から、若者を中心に店舗離れが加速する流れがある中、和光が実店舗を増やしているのはなぜですか。

米原:ECへの拡大も行っていますが、お客様が和光の世界観を五感で感じることができるのは実店舗ならではと考えています。

 そういった考えから、これまでご利用いただいたことがないお客様に和光を理解していただけるように、実店舗での新しい店舗体験の提供を重視しています。

 新しい体験ができる場所として始めたのが、新形態の店舗「WAKO SITE」です。2022年10月に小田急百貨店新宿店、同年11月に銀座四丁目中央通り店をオープンしました。WAKO SITEでは「内から外へ」をコンセプトに、和光本店のおもてなしを本店とは異なる新機軸で発信しています。

画像を説明するテキストなくても可
WAKO SITE GINZA(和光サイト 銀座)の外観

米原:具体的には、コンセプトに合わせた新たな店舗名とそのロゴデザイン、本店の黒を基調にした色合いとは異なる白一色の内装などの変化を取り入れています。また、スタッフの服装もカジュアルなスタイルにしました。こうした変更をしている一方で、小田急百貨店新宿店では本店の外壁を3Dプリンタで再現した内装にし、既存のブランドイメージとのつながりも感じられるようにしています。

 商品のクオリティーやおもてなしの質は維持しつつも、新しい和光の姿を発信することで、外国からの旅行者をはじめ、新規のお客様が入りやすいと感じる場所の創出を目指しています

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
マニュアルに頼らない接遇 歴史が生み出す「人」の力

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
再発掘される「店舗」の価値 次世代ビジネスモデルを追う連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

大里 紀雄(オオサト ノリオ)

Micoworks株式会社 ビジネスマーケティング部 Director 

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/09/05 13:44 https://markezine.jp/article/detail/42372

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング