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再発掘される「店舗」の価値 次世代ビジネスモデルを追う

“ファクトとペルソナ”を駆使したイケアの体験設計 人々が一日居ても飽きない店舗作りの秘訣とは?

 スウェーデン発祥の家具・雑貨チェーンのイケア。創業80周年を迎えた同社の日本法人であるイケア・ジャパンでは三つの都心型店舗の展開や、国内10店舗目の大型店舗「IKEA前橋」をオープンするなどリアル店舗の展開に注力している。今回は、同社でデザイン部門の国内責任者を務める谷川舞氏と、フード部門の国内責任者を務める菊池武嗣氏に、店舗ビジネスを支援するMicoworksの大里紀雄氏がインタビュー。イケアが考える店舗の価値と、店舗体験設計の方法について詳しく伺った。

良質な店舗体験は顧客が来店することに支払う対価

大里:本連載では、店舗ビジネスの有識者や新たな店舗ビジネスで注目される企業の方々をお招きし、これからの店舗ビジネスの在り方について紐解いています。まず、イケア・ジャパンでお二人が担う役割を教えていただけますか?

Micoworks株式会社 ミコミー事業部 部長 大里 紀雄氏

谷川:私は現在、ホームファニッシング&リテイルデザインマネジャーを務めています。具体的には、店舗・オンラインストアのそれぞれで、お部屋の提案や店舗のデザインや商品の陳列などを行い、それを通してより多くの方に興味を持っていただく店舗作りを行っています。

(写真左)イケア・ジャパン Country Home Furnishing & Retail Design Manager谷川 舞氏、
(写真右)同社 Country Food Manager菊池 武嗣氏

菊池:私は、カントリーフードマネジャーという職務で、食品部門を担当しています。イケアでは、食事をとる場所を店舗体験として非常に重要視しています。これは、お買い物の導線の途中に休憩できる場所があることで、ショールームで見たものを皆で振り返ったり、気になる商品を比較したりできるためです。休憩する場所かつ意思決定を行う場所として居心地の良い空間作りが行えるように日々奮闘しています。

大里:近年、社会情勢の大きな変化にともない、消費者の購買行動や店舗に求める価値も大きく変化していると感じています。そんな中で、大型店舗を多数展開するイケアが考える店舗としての提供価値について教えてください。

谷川:イケアでは、「IKEA as a destination store(目的地としてのイケア)」「fun day out(家の外で過ごす楽しい日)」という言葉を非常に大切にしています。これらの言葉は、一日出掛けても楽しい店舗体験作りに注力していることを意味しています。現在は、ECサイトでの買い物が当たり前になりました。これは同時に、以前なら当たり前だった店舗に行くことだけがお客様の選択肢ではなくなったことも意味しています。

 だからこそイケアでは、店舗に来る対価として、ショールームやスウェーデンにちなんだ料理など、店舗だからこその付加価値をお客様に体感していただけるように意識しています。

気軽に寄れる都心型店舗で顧客接点を拡大

大里:イケア・ジャパンは2020年から2021年にかけて、新たに都心型店舗を3店舗オープンしました。この都心型店舗と大型店舗では、店舗体験の狙いとしてどのような違いがあるのでしょうか?

谷川:イケアの大型店舗は、郊外でお客様をお迎えする形態です。売り場面積の広さや商品数の多さを活かして、商品をじっくり検討し、お買い物を楽しんでいただけるような店舗体験を意識しています。

 しかし、この数年で世界中のお客様のライフスタイルが効率性を重視したものに変化してきました。それにあわせて「新たなお客様に会いに行く」というコンセプトで、これまで店舗に足を運んだことがない方にイケアを知っていただき、商品と出会っていただく場所としての役割を果たしているのが都心型店舗です。

 故に都心型店舗では、欲しいと思った時に求めている商品が手軽に手に入る利便性や、立ち寄るたびにディスプレイが変化しているようなバラエティに富んだ雰囲気作りを意識しています。また都心型店舗は、イケアブランドのエントリーポイントにあたるので、大型店舗やECへつなぐ“あらゆるチャネルの起点”の役割もあります。いかに「また来たい」と感じていただける体験を提供できるかが重要になっています。

都心型店舗の一つである、IKEA渋谷店の外観

菊池:都心型店舗においてフードも重要な役割を占めています。立地の良さと価格の安さも相まって、多くのお客様が友人や同僚と食事目的でイケアに来てくださっています。そして、そのついでに他の商品を見てくださる方も多いです。このように、フード事業がこれまでつながりの持てなかった層のお客様に興味を持っていただくための一つのきっかけになっています。

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この記事の著者

大里 紀雄(オオサト ノリオ)

Micoworks株式会社 ビジネスマーケティング部 Director 大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/15 08:30 https://markezine.jp/article/detail/44637

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