SNS施策のコスト最適化に課題
鈴木:コミュニケーション戦略において、課題を感じていることはありますか?

髙口:SNS施策のコスト最適化が挙げられます。料理に使えます作戦では、Instagramを活用していますが、やはりコストがかかりますね。限られた原資の中でどう対応していくかが課題です。
鈴木:SNSが多様化・複雑化しているため、企業はプラットフォーム別のフォーマットに沿ってコンテンツを制作しなければなりません。そうなるとコンテンツの制作費がおのずと分散され、一つひとつのコンテンツの質が下がっていくんですよね。ALPHABOATでは一気通貫のコンテンツ制作によってクライアントのコスト最適化を支援していますが、御社で何か工夫していることはありますか?
髙口:まさに今、協力いただけるエージェンシーを見定めながらコストの改善に取り組んでいるところです。媒体横断のコンテンツ制作はもちろん重要ですが、一つひとつの施策に手応えを感じてからでなければ実行は難しいと思います。小さな成功を経験しなければ、誰も自走しないでしょう。2年ほどかけて実施してきた施策にそろそろ横串を刺して、統合型のマーケティングができる体制を目指しています。
菓子メーカーが向き合う人口減と健康志向
鈴木:最後に、御社の今後のマーケティング戦略の展望をお聞かせください。
髙口:オフライン回帰の流れを受け、リアル施策を強化していきたいです。実は1年ほど前から「楽しく遊べる作戦」という新たな作戦を仕掛けていて。築地本願寺や熊本県と協力の上、ベビースターラーメンで“麺文字”をつくることができるブースを出店しました。
髙口:当社が今後向き合っていかなければならない課題は「人口減」と「健康志向」です。これまでベビースターラーメンを含むスナック菓子市場は「気分転換に最適な罪悪感のある食べ物」という理解のもと成立していました。しかしながら、人口が減ると衣食住に関わる市場は縮小します。特にスナック菓子のような嗜好品の市場、その中でもベビースターラーメンが占める割合を考えると、シュリンクは免れません。
同時に高まる健康志向にも対応していく必要があります。当社では「スナック菓子なのに健康」というジャンルに商機があると考え、そのジャンルにあてはまる新商品をブランドポートフォリオに加えています。マーケティング部の中にある、通称“今日の糧”チーム(既存事業部)でキャッシュを生み、そこで得たキャッシュを“明日の糧”チーム(新規事業部)の創生と育成に充てていく。今はそのアクセルを踏むタイミングだと思います。
