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【特集】明快な方程式がなくなった、メディアプランニングの今

お金=広告費で買えないものとは?明石ガクト氏が説く、アテンション時代のモノの売り方・広め方

再現性をもって「TikTok売れ」を仕込むことはできるのか?

MZ:では、メディアプランニングをどう変えていくべきでしょうか?

明石:当たり前ですが、広告代理店が仲介をして購入をしなければ使えない“広告枠”というもの自体は、これからも変わらないと思います。一方で、今、SNSプラットフォーム上では“無限”の枠が生成されており、これらは広告代理店が仲介をしていた“有限”の枠とは異なります。TikTokやYouTube、Instagramなどのプラットフォームにはアテンションを生み出すための無限の枠があって、頑張り次第で、この枠の影響力は千倍にも1万倍にも、100万倍にもなる。ですから、従来の広告的な領域と同等、あるいはそれ以上の比重で自分たちが有しているオウンドメディアのコンテンツを重視するべきだと考えます。

余頃:実際に、「テレビCMを打つ予算はないけど、CMと同じくらいの効果を出したい」という狙いをもって、TikTokを使う例は増えています。言うならば、TikTokで一発逆転を狙うのです。以前は、認知/興味関心/購買と役割を分けて、複数のメディア横断でプランニングを組んでいましたが、これに限らない例が増えてきているように感じています。

ワンメディア株式会社 ビジネスプロデュース本部 ゼネラルマネージャー 余頃沙貴氏
ワンメディア株式会社 取締役 余頃沙貴氏

MZ:TikTokでの一発逆転ですか。TikTok売れを戦略的に仕込むことは可能なんでしょうか?

明石:自然発生的なTikTok売れもたしかにありますが、小さく再現性をもってTikTok売れを作ることは、どんなブランドや企業でも可能だと思います。

余頃:爆発的なバズを起こせないか?! というTikTokに対する期待はわかるのですが、明石が話したとおり、TikTok売れに関しては小さく再現性をもって設計することが重要です。この時、動画に対するアテンションから購買にまで繋げるには、2つのポイントがあります。

 1つ目は、ブランドや商品の橋渡し役になってくれる「クリエイター」です。大事なのは、ブランドの文脈やベクトルとマッチしたクリエイターと“コラボレーション”してコンテンツを制作すること。ちなみに、ワンメディアではクリエイターの選定をする際、『有力インフルエンサーの4象限』という動画クリエイターのマッピングを用いています。縦軸に「見て楽しむエンタメ性」と「参考にする情報性」、横軸に「個人の力」と「特定のトピック」を設定するもので、分類としては以下の4つです。

クリエイターマッピング
クリエイターマッピング

1.エンタメ型:「あるある」「やってみた系」など、ハイクオリティなエンタメ動画を発信しているクリエイター

2.ミーム型:自らをコンテンツ化させているクリエイター

3.プロフェッショナル型:特定のトピック×フォーマットで、専門性と説得力のあるコンテンツを発信しているクリエイター

4.ロールモデル型:特定のトピックを軸としたコミュニティにおいて、神格化されたクリエイター(ミーム型より情報性が高い)

明石:インフルエンサーマーケティングでは、アカウントのフォロワー数や、そのクリエイターの動画が普段どのくらい再生されているのかといった数字でインフルエンサーを選定することが多いと思います。ですが、アテンションの世界においては、そうした数字はほとんど無意味です。大事なのは、クリエイターが持っているコミュニティとその文脈なのです。

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「TikTok売れ」が起こる構造にヒントがある

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/07/05 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42525

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