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Withコロナ時代、一歩先行く企業コミュニティの共創最前線

「デジモン」古参ファンの熱量を今につなぐ!東映アニメーション流のコミュニティ運営

親子二世代にわたるファン獲得を目指して

水野:デジモンパートナーズの取り組みに対する社内の評価と、今後の展開について教えてください。

浮田:立ち上げ時を振り返ると、テレビ放映が終了したコンテンツの活用ということもあり、推進に慎重な声も聞こえました。コミュニティを構成するファンの数は、アニメや映画を視聴する人数と比べて少ないですし、既にTwitterを中心としたSNSで一定のフォロワーを獲得できていたため「コミュニティを運営する意義は?」と問われたわけです。

1999年3月7日から2000年3月26日まで放送されたデジモンのテレビアニメシリーズ第1作
1999年3月7日から2000年3月26日まで放送されたデジモンのテレビアニメシリーズ第一作

浮田:しかし我々は、デジモンファンが多様な属性や興味関心を持ち、10人いれば10通りのデジモンへの愛着があると感じていました。年代や性別による違い、アニメ・玩具・ゲームといったジャンルの違い、国内と海外の違いもあります。多様なファンに向けて双方向のコミュニケーションの場を提供することにより、新たな価値を生み出せるのではないかと考えました。

下村:これまでは、外に向かってデジモンファンの輪を広げようと注力していましたが、今後はサイト内でコメントやイラスト投稿などの発信を積極的に行うファンを増やしていきたいですね。

浮田:アクションするファンが増えれば、そのファンの周辺に新たな輪が生まれます。そうしていくつもの輪を広げていくことで、課題であったシリーズ間の分断を解決できるのではないかと考えています。デジモンパートナーズで実践したコミュニティ運営の手法は、東映アニメーションのほかのロングセラー作品でも有効かもしれません。

 今後は2023年10月公開の新作映画に絡めたコミュニケーションを計画しています。デジモンファンに向けた毎年夏の恒例イベント「デジフェス」での情報発信をきっかけに、コミュニティから映画への期待の声を生み出し、封切り後は座談会などを通して映画の魅力を発信できればと思っています。

水野:IPから次のIPへ、さらに長期の伝承ができそうですね。

浮田:はい。20代後半から30代前半のコアファン層は、将来的にお子様を持つ世代となっていきます。親世代のデジモンへの回帰を新たなIPとコミュニティで促し、親子二世代のファン獲得を目指したいですね。

水野:今後のデジモンパートナーズの盛り上がりに期待します。本日はありがとうございました。

対談後記

 取材の中で外山さんは、自身のデジモン愛が深まった背景として「小・中学生という多感な時期に親しんだこと」を挙げていました。大人になって過去に好きだったキャラクターに再び触れることは、コンテンツへの情緒的な共感を生み出し、その共感はコミュニティという場でさらに強固なものとなります。そして、そんなファンの思いを形にするオリジナルグッズの共創は、コミュニティならではの取り組みと言えます。等身大のぬいぐるみやオルゴールは決して安価ではありませんが、大人になった今だからこそ贅沢な買い物を楽しむことができ、それが楽しみとして受け入れられていると感じました。海を越え、世代を超えた多様な価値観をつなぐコミュニティとして、デジモンパートナーズが今後も発展することを期待しています。

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この記事の著者

水野 慎也(ミズノ シンヤ)

株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト
デジタルマーケティングを中心に、IT製品・サービス市場の調査分析を通し国内企業のITや企画部門向けにコンサルティング活動を行う。 自身も前職のカゴメでは、ファンコミュニティサイト“&KAGOME”の担当者として運営をリードした実績を持つ。
【関連リンク】アイ・ティ・アール

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/07/12 07:00 https://markezine.jp/article/detail/42686

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