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第106号(2024年10月号)
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不確実な時代を乗り越える「マーケティング戦略の大転換」― 突破口はゼロパーティデータとロイヤル顧客(AD)

顧客一元管理とLTV向上の秘訣 資生堂の「Beauty Key」とロイヤルティ プログラムの新潮流

スクラッチ開発にはメリットもあるが……

MZ:加藤様に続けて伺います。Beauty Keyは2022年9月のローンチ初日にアプリストア全体で6位、ライフスタイル部門では1位を取るなど、大きな成功を収めていますが、この成功の要因をロイヤルティ プログラムの視点からどのように分析できるでしょうか?

加藤:資生堂様のファンの数から考えて、アプリのダウンロード数は今後ますます増えていくでしょうが、ロイヤルティ プログラムの視点で特に重要なのは、データに基づいた継続的な改善です。

 たとえば「“どの”タイミングで“どの”ステージの会員に“何を”提供すれば、真に喜んでいただけて、再来店につなげられるのか」が、データを今後集めていくことでより可視化されると思うので、その上での施策改善が資生堂様のロイヤルティ プログラムの次なるポイントになってくるでしょう。

MZ:大槻様に質問です。話は転じて、Beauty Keyの開発において、特に困難だった点があれば教えてください。

大槻:Beauty Keyの開発にあたっては、アクセンチュアにも協力していただきましたが、今回はスクラッチでシステム開発を行いました。なので当然、工数とコストはかかりました。なぜスクラッチを選んだかというと、ワタシプラスの会員IDなど、既存の仕組みをBeauty Keyに連携していくにあたり、捨てられないものが多すぎたのです。また、システムやデータの出入りも非常に多岐にわたるため、それらのすべてをうまく連携しながらローンチできただけでも、奇跡的だと思っています(笑)。

大槻:ただ、社内メンバー自身が「こんなソリューションがあったんだ」と理解するためにも、スクラッチで開発プロセスを内製で取り組むことにも意義があったとも感じています。

工数を抑えつつも、有効なロイヤルティ施策を実施するには

加藤:今、大槻さんにご説明いただいた資生堂さんのスクラッチを通じて社内理解も合わせて進めるアプローチは見習うべきだと思います。一方で、「スクラッチでシステム開発するにはリソースが足りない」という企業も多く存在するのではないかと思います。

 当社では、前述のロイヤルティ プログラムを設計から実装・運用まで一気通貫で支援するSaaS「Marigold Loyalty(マリーゴールド ロイヤルティ)」を提供しています。これにより、工数もリソースも最小限の費用で、ロイヤルティ プログラムを設計することができます。

 また、当社ではロイヤルティ施策設計に関するコンサルティングを行っているのですが、「ロイヤルティ プログラムをとにかく作りたい」と、やや漠然とした相談を頂く機会が多いです。そこからいかに解像度を上げて、戦略設計から顧客の態度変容をきちんと促す施策の立案までを支援させていただきます。

具体的なアイデアの一例

バッジ戦略……たとえば、書籍を販売する事業者が顧客に「本の購入頻度を増やしてもらいたい」「書評をSNSに投稿してもらいたい」と望む場合、「バッジ」を付与するのも一手だ。ポイントを提供するよりもコスト効率が良く、蒐集を好む人には刺さる施策になるだろう。

MZ:最後に、お二人の今後の展望について教えてください。

大槻:昨今、お客様へのタッチポイントや消費に対する価値観は多様なものとなりました。こうした変化を受け入れつつも、Beauty Keyの本来の目的はぶらさずにいきたいと思います。それは「肌を通じてお客様の人生に寄り添い、日々楽しんでお化粧してもらうことを願い、それを叶える」ことです。この軸を保ちつつ、今後もBeauty Keyのサービスを進化させていきたいと思います。

加藤:日本のロイヤルティ プログラムは、主に購入に基づくポイントプログラムに偏っています。しかし、七つの異なる種類のロイヤルティ プログラムや、資生堂インタラクティブビューティー様が取り入れているような方法を参考にして、アクションベースのプログラムを増やすことで、ブランド企業と顧客の結びつきをより強くすることができると考えています。

ウェビナー「Marketing DX Academy by Cheetah Digital」
Beauty Keyに見るロイヤルティ プログラムの可能性

 本ウェビナーでは、歴史ある資生堂がなぜロイヤルティ プログラムに注力するのか、その理由を詳しく解説しています。ロイヤルティ プログラムを通じて、顧客エンゲージメントを高めるための秘訣が満載です!ぜひご視聴ください。

動画視聴はこちら

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:チーターデジタル株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/29 10:30 https://markezine.jp/article/detail/42839

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