プレゼンやワークショップなど、実践ベースの研修を
――次は「5.マーケティングに関する研修は参加者にとっての面白さを重視すべし」についてです。研修を面白くするためのポイントを教えてください。
橋本:参加者によるプレゼンテーションや他の参加者とのディスカッション、具体的なテーマに基づいて実際の分析を行うワークショップなどを盛り込むと、参加者のモチベーションは高まると思います。

橋本:また、先輩社員が参加者のプレゼンテーションに対して適切なフィードバックを行うことで、参加者に成功体験や気付きを得てもらうことも重要ですね。なお、研修後には参加者にアンケートをとっておくことも忘れないようにしてください。研修の内容が十分理解できなかった参加者へのフォローアップが必要だからです。
高いスキルをもった社員とのOne to Oneコミュニケーション
――次の「6.高マーケティングスキルの社員とのコミュニケーション機会を増やすべし」は、新人マーケターに向けた教訓のようですが、なぜコミュニケーション機会を増やす必要があるのでしょうか。
橋本:高いマーケティングスキルを持つ社員の多くは、マーケティングの面白さ(面白くするコツ)をよく知っているからです。マーケティングに関する最新のトレンドを把握しながら、社内外の様々なデータを活用し、顧客やUI/UXに関する新たな気付きを得て、その発見をもとに最適なチャネルを選定して最適な施策を実行する──これがマーケティングです。
このマーケティングの奥深さ・楽しさを知っている人と一緒に過ごす時間を増やすことで、新人マーケターも自然とマーケティングおよび担当業務に興味が持てるようになるでしょう。
――最近はWeb会議が増えていますが、オンラインコミュニケーションの取り方についてアドバイスはありますか?
梅澤:二人以上が参加するWeb会議では、発言しづらくなるというデメリットがあります。新人の場合は頻繁なOne to Oneコミュニケーションを通じて、先輩社員と相談しやすい関係を築いておくことが重要です。見知った先輩がいることにより、複数人が参加するWeb会議でも積極的に話せるようになるのではないでしょうか。
ちなみに、アドビでは過去のクライアントへの提案やマーケティング施策に関する資料をアーカイブしており、先輩社員と新人がアーカイブ資料を見ながら「ああでもない」「こうでもない」といった会話をよくしていますね。

橋本:マーケティングスキルの高い人は様々なツールを使い慣れているので、Web会議で使えるツールなどを先輩社員から学んでおくのも良さそうですね。
――ありがとうございました。今回は10の手法のうち、3、4、5、6について解説いただきました。第3回では「7. マーケティングオートメーションの活用によりメール配信を自動化すべし」「8. 分析・最適化の業務に対して積極的にAI/MLを活用すべし」について語っていただきます。