ゲーム「ホグワーツレガシー」とテーマパークでは、違う層を獲得
ここからは、ハリー・ポッターに焦点を絞って、テーマパーク関心層の解像度を上げていきたいと思います。
ハリー・ポッターといえば、2023年2月発売のゲーム「ホグワーツレガシー」でも注目を集めました。テーマパークとゲームで、公式サイト訪問者の属性を比較してみると、性年代はいずれも20代の割合が最も高く共通している一方で、テーマパークは女性ユーザーが約6割、ゲームは約4割と性別に差がありました。世帯年収についても見てみると、やはりテーマパークのほうが年収傾向が高くなっています。
(調査期間:2022年7月~2023年6月/デバイス:PC&スマートフォン)
(調査期間:2022年7月~2023年6月/デバイス:PC&スマートフォン)
検索ワードから推察できるプロファイル
もう一つ、「ハリーポッター」との掛け合わせ検索ワードランキング(検索者数降順)も見てみます。テーマパークに関連するワード以外にも、期間限定でコラボしている「タリーズ」のほか、グッズショップやフォトスポットなど様々なコラボ企画が同じく期間限定で展開されている「赤坂」もランキングに入っており、“推し活”の空気が感じられます。
(調査期間:2022年7月~2023年6月/デバイス:PC&スマートフォン)
おもしろいのは、「杖」と「寮」の検索ワードです。検索後の流入ページを見てみると、「杖」は「ハリー・ポッター杖診断 - あなたのハリー・ポッターの杖はどんな形?」、「寮」は「あなたの寮はどこ?ハリポタ組み分け帽子診断」という、診断系のコンテンツがよく見られていることがわかりました。
参考として、診断系コンテンツとして有名な「16Personalities」のサイト訪問者と、「骨格診断」「パーソナルカラー診断」「顔タイプ診断」の検索者の年代を見てみると、いずれも20代の割合が顕著に高くなっています。
(右)「骨格診断」「パーソナルカラー診断」「顔タイプ診断」検索者の年代割合
(調査期間:2022年7月~2023年6月/デバイス:PC&スマートフォン)
若年層が診断コンテンツを積極的に使用するのは「自らのアイデンティティを示すため」とも言われています。これらのコンテンツは、ワーナーブラザーズが公式に提供しているものではありませんが、若年層や推し活をする人々のインサイトを掴むヒントはありそうです。
元々、ハリー・ポッターの作品自体は、書籍の第一巻が1997年に出版、映画の第一作目が1999年に公開されており、Z世代というよりは、ミレニアル世代のほうがタイムリーに作品に触れてきているはずです。同作品のマーケティングや訴求コンテンツは、若年層や推し活に熱心なファン層の心を掴む際に、参考にできるのではないでしょうか。
